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立ちあがれ…小さな勇者よ

しばらく晴と沙良は無言だった。

そんな二人を励ますかのように突然星がきらきらと

周りを照らし出す。いくつもの星の光で視界が

はっきりとしてきた。晴と沙良、お互いの顔もはっきりと確認できる。

手を繋いでいる今の状況も。急に恥ずかしくなったのか「触らないで」と晴の手からバッと手を離す沙良。

「はぁ?沙良が握ってきたんだろ?」と離された晴の右手は自分の膝へと収まった。


沙良「晴からでしょ!怖がってたくせに」


「怖がってなんかない!」と沙良の方を向いて

文句を言ったとき、体育座りをしていたそれぞれの

前に剣が置かれていたことに気付く二人。


「夢じゃないのかよ…」とぼそっと呟いた晴。

そんな晴の声が聞こえたのか、聞こえていないのか

「星、きれいだね」沙良が上を向く。

その言葉に沙良と同じように上を向いて

夜空に煌めく星を眺める晴。

星空を眺めている二人の顔から一粒の雫がぽろっと

零れ落ちた。その涙は寂しさからか、それとも恐怖か、これから戦わなければならないとゆう覚悟を決めたゆえ零れ落ちたものなのか…きっと全部が

入り混じって零れ落ちたものだろう…


5歳である君達が今何を思っているのか心の中までは

読めないが、わしはそんなふうに思った…


「あっ、そうだ…」と晴が立ち上がり、バーベキュー用の椅子に置いてあった黄色い包みを手にして

沙良の横に座り直す。


「これ、プレゼント」と沙良に手渡す。

「あたしに?開けてもいい?」沙良は晴から手渡された

黄色い包みを開けていく。

黄色い包みを開けると「可愛いっ!」中に入っていたのは晴が物凄く考えて選んだひまわりをモチーフにした

髪を止めるピンだった。


晴「壊れたってあの時泣いてたから。

  大事なものだったんだろ?

  代わりにはならないかもしれねーけど、

  もしよかったら…」


「使う!あ…ありがとう…」照れながら沙良は晴に

お礼を言うとさっそく晴にもらったピンを髪につける。「まだ練習中だから。髪結んだり、ピンで止めるのママみたいにうまくできないけど…」と苦戦しながらなんとかつけ「どうかな?」と晴に聞く沙良。

「似合ってる」これまた晴も照れながら口にする。


全くやれやれ…と頭に手をやる二人の

見守り人であった。



「警察行こう!」と突然、晴が言い出した。

「警察?」と沙良は聞き返し「ほらっ、こうゆうときって警察行くんじゃないの?パパ達もいないんだし。

警察に助けを求めるんだ」と晴が立ち上がりそれに続いて沙良も立ち上がる。






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