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こんな世界がくるなんて想像なんてできるわけなかった

夢を見ていた。お互いに同じ夢を。

ぼんやりとしたもやの中で姿は見ることはできないが

声だけははっきりと聞こえていた。


この世界は君達に託された…

戦うのだ…剣を持って…

戦い抜いて日常を取り戻すのだ…

戦い抜かなければ君達の大切な人も戻ってこない…

5歳の君達にこの言葉はどう届いている?

この言葉の意味が分かるか?

遊びじゃないぞ…それともう一つ、夢でもない…

もう一度言う…これは夢じゃないぞ…

これから戦う君達にほんの少しだけ勇気を与えよう…

これがあればきっと大丈夫…

うまく使いこなせ…

わしが君達の前に次に現れるのはいつになるか

それは断言できない…

だがずっと見守っているぞ…


、、、と、そこで二人は目を覚ました。

晴と沙良はかくれんぼをする前、バーベキューを

していた場所にいた。

晴は眠ってる間パパ達が見つけてくれて

ここまで運んできてくれたんだと、ぼんやりとした頭で考えていた。

「ママ達がいない…ママ?パパ?どこ?」と隣から涙声の

沙良の声が聞こえる。

沙良の声で晴も周りをきょろきょろと見渡し

パパとママがいないことを改めて認識すると

なぜか夢の中で言われたことがはっきりと

蘇ってきた。胸がざわざわする嫌な感覚は

5歳の晴でも分かる。胸に手を当て自分を落ち着かせようとする晴は沙良が口を開いたことにより

またもや沙良の方を見る。真っ暗で顔は見えないが

いまだ手をぎゅっと握っているため、隣にいることは

ちゃんと確認できる。

沙良「あたし、夢見たの…怖い夢…」

涙声の沙良の手をさらに晴はぎゅっと握る。

大丈夫だと安心させるように。

沙良「戦わないと大切な人が戻ってこないって…」

沙良の言葉になぜか晴の胸のざわざわが増す。


「もしかしてその夢ってこんな感じの夢だった?」と

晴も自分が見た夢の内容を話し出す。


沙良「それ…。あたしと晴、同じ夢見たの?

   これ夢だよね?そうだよね?」


晴「そうだ…きっと夢だ。夢に決まってる。

  俺達、悪い夢見たんだ。もう一回寝て起きたら

  パパとママは隣にいる!きっとそうだ!」

そう自分に言い聞かせるように言う晴だったが

これは夢じゃない…とほんの僅かだが感じていた。

それは自分には何か言葉では言い表せないような

力を感じたから。なぜか自分が強くなったような

勇者になったような…

それは沙良も同じだった。5歳なのに戦えるわけなんてないのに眠る前とは違う自分の中に湧き上がる感覚。パパとママがいない寂しさと得体のしれない恐怖に晴の手を握っていないもう片方の手で自分の体を抱きしめた。












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