ワクワクな気持ち
晴は一つ一つ真剣に見ている。
目をきょろきょろと動かしどれにしようか
悩んでいるみたいだ。
そしてひまわりをモチーフとした髪を止めるピンを
手に取った晴は「ママ!俺これ買う!」と宣言し、
「これからいっぱいお手伝いするから!そこから
払っといて!」と一丁前?なことを言ったのだった。
「はいはい。いっぱいお手伝いしてもらうわよ」と
ママも嬉しそうだ。
無事に買えた晴は、お店での食事中も大事そうに
膝の上に乗せたまま食べ、車の中でも両手で
ぎゅっとそのプレゼントを抱えたまま家に着くまで
爆睡していた。
車内では「晴の初恋だな」「ふふっ、そうね」と
パパとママの暖かい会話が。
もちろん、爆睡中の晴にはその会話は
聞こえていないが…
初恋なんて言葉もまだ晴には分からんだろうなぁ…
寝顔を見ながら見守り人が呟くのであった。
・・・・・
いよいよ、今日は旅行当日。
「おはよう、晴。今日楽しみだな!」パパが聞くが
晴から中々返事が返ってこない。手で目をゴシゴシと
擦っているところをみると、どうやらまだ
眠いようだ。
「ほら、顔洗ってらっしゃい」ママが背中を押すが
晴の足取りは重い。楽しみにしているのは間違いないが、眠さには勝てないらしい。
一方、沙良家では、、
「ママ、パパ晴れて良かったね!
星見れるかな?」
「そうね!」「きっと見れるぞ!今日は雲一つない快晴だからな!」沙良は完全に目が覚めており朝から
元気いっぱいにママとパパと会話をしていた。
・・・・・
「肉だー!肉!」焼けた肉を口いっぱいに入れている晴は「まだまだあるからそんな急いで食べるなよ」と
パパに注意されている。
口をもぐもぐさせながら「沙良もいっぱい食べろよ!」と沙良に言う晴。
「言われなくても食べてる。
焼肉のたれ!ついてる」晴の顔を指差しながら
そう返した沙良は「どこ?どこに付いてる?」と
晴の問いに対しいちいち説明するのも面倒くさかったのか「ここ!」とそう言って黙ってティッシュで取ってあげた。
晴「あ…ありがと」
沙良に対してお礼を言った晴の顔はほんのり赤く
染まっているように見えた。
いや、気のせい?気のせいかな?。
晴の顔が赤いのは、お肉を焼いている直ぐ側に
いるから…火のせいで暑いと、そうゆうことに
しておいたほうがいいかな?
最も、晴と沙良のやりとりを
見ていた大人たちは晴の顔がなぜ赤いのか
気づいているが…そしてその光景を
微笑ましく見ていた。