4話 初仕事
「おっ、【ウォッカ】じゃねえか。初仕事の前に、顔合わせだ。今日は他の面々に自己紹介してけ」
「はいよ。上かい?」
「おうよ。ほれ、ウォッカだ。グラスもキンキンだから、ぬるくなる前に飲んじまえよ」
そういえば敬語やめた。【ユプオア】からやめろって言われたし、俺はヘラヘラしてる実力者を目指してるからな。
コンコン、キイィー…
「おそいわよ【ウォッカ】。【ジン】なんてもう5杯目よ?」
「そうだぞ【ウォッカ】君。僕ももう2杯目だ」
「2杯でイキんな【ウイスキー】!【ウォッカ】、アンタも新人なのに遅れんじゃないよ!」
「【テキーラ】、うるさい」
「おい!【テキーラ】も【ワイン】もうっせえぞ!」
「「【ジン】が一番うるさい」」
「ああ!?」
「まぁまぁ、あ、遅れたけど【ウォッカ】です。よろしく!」
皆んなキャラが立ってて良いじゃん!
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「おいおい【ウォッカ】!アンタお貴族サマなのかい!?」
「まあね~、俺は次男だし兄ちゃんに子供生まれたから、家は継げないけどね~」
「でも、貴族のメンバーは初めてだよ。緊張しちゃうなぁ。あ、【ウォッカ】僕のウイスキー取って」
「全然してないじゃないの…でも【ウォッカ】の魔法の腕がいいのも納得ね。まさか魔法師団員だとは思わなかったわ」
「フンッ。【ウォッカ】お前、両立できんのかぁ?」
「【ウォッカ】は大丈夫…【ジン】のほうが心配。」
「あぁ!?」
「僕を取り合わないでくださいよ~」
キイィー…
「大分仲良くやってるじゃねえか!そんな【ウォッカ】に初仕事だ!」
「「「おおぉー」」」
初仕事!なんだろう!マルセル、ワクワク!!
「最近王都の巨大組織の一つ、《逆月》が都民を一家丸ごと惨殺しやがった。ほかの一般人にも被害が出始めてるから、《逆月》の事務所1つぶっ潰してこい。早い話、牽制だ。」
いいじゃねえか。一般人に手出すアホは、ぶっ潰す。
「場所は?」
「【ワイン】が知ってる。一緒に行って教えてもらえ。ただ、一人でやれよ。」
「了解。ウォッカの瓶、貰ってくぜ」
「あいよ。」
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「…ここが、事務所」
「ありがと。どうする?【ワイン】は見てるか?」
「そうする」
「へいへい」
ガチャ!
「《逆月》だな?」
「何だゴラァ!」
「だったらなんだ!?」
「一般人に手出したろ?」
「あん?お前あいつらの身内か~?ヒヒヒッ!じゃあ同じところに送ってやるよ!」
「そっか、じゃあ、バイバイ!」
室内をガチガチに凍らせてやる!
「フリッジ」
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「ボス、事務所の一つと連絡がつきません。確認に行かれますか?」
「なに…?何処の事務所だ?」
「裏通りのです。」
「支度しろ。行くぞ。」
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「おい!誰かいないのか!?」
「なんかこの辺、寒くねえか?」
「…!!」
「あっ、ボス!」
バギ、バンッ!
「「「な…」」」
「こ、これは…」
「おい、おいおいおい!なんだこれ!」
「…誰だ…」
「これは、凍っているのか…?」
「なんで凍っていやがるんだよ!?全員!全部!」
「…誰がやりやがったんだァ!!おい!痕跡を探せ!なんかあるはずだ!!」
「ボス…これが…」
「これは、ウォッカ…か?」
「へ、へい。奥の所長室の机に…」
「…チッ!!おまえらの部下に掃除させとけ!」
「「はい!」」
「覚えたぞ…この借り…いつか必ず返す!!」