一軒家その2
「この家ね、四間取りになってるんだ。縁側にある二部屋は8畳間になってて、反対側の二間は六畳間になってるから」
少女と家に上がって説明を聞く。台所からは六畳間へは段差になっており、それがまあまあの段差になっている。おそらく台所は以前、土間だったのだろう。リフォームして一部を階段にしてあるのは段差を少しでも解消するためだろう。
「この六畳間が管理人の部屋なんだ。だから、ホントはここもお客さん入れちゃいけないの」
普通に僕は入ってるんだけど、と思っていると少女はいたずらっ子のような笑みを浮かべながら、僕に急接近して耳元でささやく。
「お兄さんはトクベツだから」
僕は彼女との距離感と行為に心臓がバクつくのを嫌でも感じる。年上であるのに手玉にとられてるようで何だか情けない。
「お兄さんの寝る部屋は縁側にある8畳間だからね」
少女はそんな僕の気も知らないでか、さっさと説明をはじめる。
この四間を仕切るのは襖しかないようだ。プライベートの確保は難しいのではと感じるが、どうなのだろうか。
「この部屋がお兄さんの寝室。お手洗いは縁側出て、右側に行けばすぐだから。あと、お布団は押入に入ってるけど、敷いたりあげたりはこちらでやるからね」
つまりこの部屋が僕に与えられだ個室ということになる。部屋にはテレビと貴重品を入れる金庫が置いてあるのと、座卓があるくらいだ。
他には布団が入れてあるであろう押し入れと、端にはもともとあったであろう仏壇をクローゼットに改造してあった。
とりあえず僕は荷物を置くことにする。
「次はお待ちかね。当館自慢の露天風呂を案内しま〜す」
少女はおいでおいでと手招きしながら、僕を縁側へと誘った。
家の紹介その2です。