後編
悪役令嬢セシリアは生まれ変わったのだ。
誰からも好かれる令嬢になる。
もう誰にも意地悪はしない。
誰かを虐めるようなことはない。
それどころか人に親切を施し、善行を重ねる。
それがセシリアの目標であり、生き様となるのだ。
朝、陽光を浴びると改めてそのような決意を固め、メイドに挨拶をした。
おどおどしながらやってきたメイドは昨日、頭を打ったときにあの場にいなかったメイドのナナであった。メイド仲間からお嬢様は頭を打って変になってしまった、という情報が与えられているのだろう。腫れ物に触るような目で見つめられる。
ちなみに彼女の好感度は「2」であった。まだ入って間もないが、就業早々、彼女の出生地を田舎だと小馬鹿にしたこと、さらに彼女のメイド服の着こなしが芋くさいと馬鹿にしたせいだろう。他にも悪役令嬢らしく我が儘や八つ当たりをぶつけまくっていたので納得の数値であるが、なんとか彼女の数値を上げたかった。
なのでにこやかに朝の挨拶をする。
「おはよう、ナナ。今日はとてもいい天気ね。最高の洗濯日和ね」
「お、おはようございます、お嬢様。た、たしかに洗濯がはかどります」
「うふふ、毎朝、早起きをしてくれてモナフォード家を支えてくれてありがとうね」
「とんでもないことでございます。わたしのような無能を雇ってくれるだけでとても有り難いことだと思っています」
「無能だなんて謙遜よ。わたしの生活はあなたに支えられているのよ」
にこやかに言うとベッドサイドのチェストの上に置かれたウィスキー・ボンボンを手に取る。先日、伯爵夫人に貰った高価なお菓子であるが、それを彼女に与える。
「え? いただけるんですか?」
「もちろん、とても美味しいからお裾分け」
「で、でも、先日、お嬢様のお菓子をくすねたメイドはクビになりました」
「あれは勝手に食べたからでしょう。これはプレゼントよ」
「わ、わたし、貧乏なのでお返しができません」
「なにを言っているの。これは親愛の証、日頃の感謝のお礼よ。お返しなんて考えなくていいから」
そう言うと無理矢理彼女にウィスキー・ボンボンを握らせる。「さあ、食べなさい」と彼女に勧めるが、主の好意を無下にするのもどうかと思ったのだろう、「ええい、ままよ!」と神殿の舞台から飛び降りるかのような表情でウィスキー・ボンボンを口にした。
「……もぐもぐ、むしゃむしゃ」
小柄なメイドは可愛らしくウィスキー・ボンボンを咀嚼するが、口の中にウィスキー・ボンボンの味が広がるとぱあっと表情を輝かせる。
「お、美味しいです。こんなに美味しいもの、食べたことがありません」
「ふふ、そうでしょう。伯爵夫人に貰った逸品なんだから。チョコレートは本場ルミエル社製の高級品でウィスキーはイルランド産の10年ものらしいわ」
「とてもお高そうです」
「そうね。一個あたりあなたの日給くらいはするわね」
「い、一個8000ベルですか!?」
ざーっと表情が引いていく。
「気にしないでいいのよ。わたしは食べ慣れているから。さあ、今日も学院に通わないと。準備を手伝ってちょうだい」
「は、はい!」
とメイドは慌てて手伝いを始めるが、高級菓子の買収が聞いたのだろうか、好感度が跳ね上がっている。
彼女の頭上の数値は「12」になっていた。
(ふふふ、やはり女子は甘味に弱いわね)
ちょろいちょろいとご満悦のセシリア。このように小さな親切を繰り返して低い好感度を向上させるのがセシリアの当面の作戦であった。
(長年、モナフォード家に仕えるメイドよりも仕えてから日が浅いメイドのほうが好感度は上げやすいかも)
という考察もする。
昨日のメイドは全員一桁であったが、彼女はセシリアが幼少の頃より仕えている。今さらチョコをひとつ与えたところで劇的な好感度上昇は望めない。そもそも彼女たちはセシリアが一時的に錯乱しているだけで、心を入れ替えたなどとは夢にも思っていないだろう。しかし、新入りのナナを橋頭堡にして「セシリアお嬢様は善人になった」と吹聴させれば、メイドたちの気持ちも変わるに違いなかった。
そんなふうに思いながらナナに制服の着付けを終えて貰うと、一階に降りるが、執事のハンスと出会う。セシリアは恐る恐る彼の頭上を見るが、白髪の上に書かれた数字は「21」だった。メイドたちよりは遙かに高いが、それでも生まれたときから付き合いの人物にしては低い。セシリアは涙目になりながら、
「ハンス、ごめんなさい。これからはあなたも大切にするから」
ぽん、と肩を叩くと彼は不思議そうに首をひねらせた。
さて、家中の使用人に嫌われていたのは想定内なのでそれほどショックではない。愛犬の好感度さえ「3」なのだ。今さら落ち込みはしないが、問題なのは学院の人々であった。
〝ちょっぴり〟虐めていたこのゲームのヒロインの好感度は最低なのは覚悟しているが、彼女の攻略対象たちはどうであろうか。つまり、将来、セシリアを断罪するヒーローたちの好感度である。
セシリアは恐る恐る攻略対象のひとり、この国の第三王子アルベルトを見るが、彼の頭上に輝く数値は「50」であった。
「嘘、超高い!?」
あまりの高さに口をあんぐりとさせてしまうが、他の生徒の中にも50のものがちらほらいた。
「ああ、そうか、わたしのことを知らない人は50から始まるのね」
好感度100が上限なのだから好きでも嫌いでもない状態は50となる。
ということは話しかけると好感度はプラスされるのだろうか。
気になったセシリアは第三王子アルベルトに声を掛ける。
「は、はじめまして殿下。ご機嫌麗しゅう」
無難な挨拶で話しかけると、第三王子アルベルトは胡散臭いものを見るかのような目でセシリアを見下ろした。
なんだ、この女は的な顔をしている。ちなみに好感度はぐぐっと下がって「38」となった。
「な、なぜに!?」
なにもしていないのに、と頭を抱えるが、脳内にナレーションが響き渡る。
『君は悪役令嬢フェイスをしているからね。正義の側である攻略対象たちとは相性が悪い。ただ、側にいるだけで好感度が下がっていくよ』
「ひ、ひどい」
『まあ、これも因果だと思って。ちなみに側にいるだけで好感度が下がるからって彼らから逃げないように。因果律は君と彼らを強く結びつけているから逃げることは不可能だよ』
「が、頑張るわ」
と決意を新たにすると。第三王子アルベルト様に、
「きょ、今日はとてもいい天気ですねえ」
と無難な挨拶をし、遠ざかる。一時撤退、体勢を立て直してから仲良くなる方法を選ぶ。アルベルトは「ふん」と鼻を鳴らすと遠ざかっていった。すると彼の頭の数値が「50」に戻る。どうやらセシリアのことを気にも留めていなかったようで……。
「わたしの記憶を忘却の彼方にやってしまったのね」
見ればアルベルトは歩くたびに注目され挨拶をされている。彼は学院中の女子の憧れの的で様々なモーションを受けているようだ。そんな中、セシリアごときが話しかけても記憶の端にも留めて貰えないようだ。
ちなみにこのゲームのヒロインであるレナは別のようで、話しかけても邪険にされない。
「なんだ、平民女か。毎日こりもせずによく話しかけてくるな」
と他の生徒とは違った台詞を発していた。
皮肉と毒に満ちた台詞であるが、顔には笑顔を携えている。ナレーションいわく、あれは「ツンデレ」というものらしい。この国の第三王子は冷酷無比で他人に興味がないともっぱらの評判であるが、平民の聖女レナだけには特別な感情を抱いている――という設定らしい。
うーん、いかにも乙女ゲームにありそうな設定であるが、ヒロインと言うだけで好かれるのはずるい、と思ってしまうが、セシリアは意を決する。
というかこのふたりと仲良くならないとセシリアは断罪されるのだ。あるいはアルベルトに嫌われ、モナフォード家はお取り潰しとなる。まずは記憶に留めて貰って、仲良くする切っ掛けを作っておきたかった。
そう思ったセシリアは勇気を振り絞ってもう一度、アルベルトに話しかけた。
「アルベルト様! あ、あのう」
アルベルトはこちらを一瞥すると、
「なんだ。まだなにか用があるのか」
と言った。
好感度はぐぐっと下がって「32」しつこくするのはよくないようだが、それでも続ける。
「は、はい。わたしはモナフォード侯爵家の令嬢セシリアと申します。どうかよろしくお願いします」
「侯爵家の令嬢か。しかし、よろしくするいわれはないな」
「そんなつれないことを言わず、どうかわたしとお友達になってください」
「おまえもか。毎日のようにお友達お友達。おまえのような令嬢は腐るほどやってくる。皆、将来の妃の座を狙っているんだ」
「わたしはそのようなものは狙っていません」
「信じられるか」
いいえ、本当です。セシリア・モナフォードの願いはただ破滅フラグをすべてへし折ることだけ。そもそも王子様の側にいたら別の破滅フラグが立ちそうな気がする。例えば婚約破棄追放エンドや離婚幽閉エンドである。
ただの一令嬢として生涯を終えることを誓ったセシリアにとって王族は魅力的な存在ではないのだ。だから恋愛感情など露ほども抱いていなかった。
しかし、それでも彼とはお友達になっておきたい。破滅フラグを回避するため、好感度を上げなければいけないのだ。それにはまず彼の気を引くのが先決だと思った。なのでセシリアは〝今日〟彼の身に降りかかる不幸を予言することにした。
「アルベルト殿下、今日、殿下は暴漢に襲われます。王政に異を唱える共和主義者のテロリストに襲われるのです」
「なんだと!?」
それは誠か、とアルベルトは真剣に耳を傾ける。
「はい、なにか心当たりはありませんか?」
「……今日、この学院に視察団がやってくる。俺が王族として対応するのだが」
「その中に不穏なものたちが紛れ込んでいるのかと」
「……あり得る話だが。昨今、共和主義者たちが裏で蠢動している。さっそく、訪問団を精査させるが、その話、偽りではないだろうな? 冗談でした、では済まされないぞ」
「真実です」
少なくともゲーム中ではそのイベントは確実に起こる。共和主義者が王子の命を狙う事件が起き、それをヒロイン・レナが助けることによってふたりの仲が深まるのだ。ヒロインの功績を横取りする形になるが、こちらとしても命が掛かっているので必死である。
「ちなみになぜ、どこでそのような情報を仕入れた?」
王子様は当然の疑問を口にされるが、セシリアは言いよどむことなく、適当に話をでっち上げる。
「昨日、街の仕立屋にいったときに偶然聞いてしまったのです。一刻も早く王子様の耳にこの話を入れようと思って今朝、話しかけた次第」
「ふうむ、そうか。それは助かるな」
「いえいえ、ともかく、訪問団の詮議を一刻も早く」
「そうだな。分かった。もしもおまえの話が真実ならばいずれ礼はしよう」
とアルベルトは立ち去っていく。
彼の背中越しに見える好感度は「51」になっていた。有益〝かも〟しれない情報をくれた生徒に対する好感度としては妥当であろう。訪問団にテロリストが混じっている情報が正しかったのならば好感度はもうちょっと上がるはずである。
ふう、っと一息つくと、セシリアのことをじーっと見つめる視線があることに気が付く。
このゲームのヒロイン、レナが先ほどのやりとりを見つめていたのだ。
「…………」
「…………」
お互いに気まずい視線が交差する。
剣と魔法のRPG風乙女ゲーム「悠久の聖女と竜騎士」においレナはヒロインに当たるが、セシリアはそれを虐める悪役令嬢なのだ。ふたりの相性がよろしいわけはない。そもそもセシリアはすでにレナに虐めに近いような言動を繰り返しているのだ。レナがセシリアを好いているわけがない。それを証拠に彼女の頭上の数値は「1」であった。
「……うーん、嫌われているなあ」
と率直な感想を漏らすしかないが、今度は彼女に好かれるように努力をするしかない。
なぜならば彼女を放置すれば断罪エンドが待っているのだから。
セシリアはにこりと微笑むと、鞄の中から「マカロン」を取り出し、それを彼女に渡す。
「ど、毒殺ですか!?」
彼女は警戒心を緩めないが、セシリアは「まさか」と言うと、マカロンをひとつ、自分の口に運ぶ。
「毒など入っていないわ、これはお近づきの印。レナさん、よければだけどわたしと友達になって」
「セシリアさんとお友達ですか!?」
レナは驚愕の表情を浮かべる。
彼女は驚愕しながらのけぞり、
「い、いったい、どういう魂胆なんですか」
と尋ねてきた。
「魂胆だなんて酷い。わたしはただみんなと仲良くしたいだけ」
「でも、あなたはお友達と一緒に私を虐めてきたじゃないですか」
「あれは本当にごめんなさい。昨日までのわたしはどうかしていたの。でも、もう、あなたを虐めるなんて馬鹿なことはしないわ」
「う、嘘です。だってセシリアさんはとても怖い人だから」
「神様とそのマカロンに誓って心を入れ替えるわ。さあ、食べて食べて」
レナは、
「きっとこのマカロンの中は砂に違いないです」
とマカロンに口を付けるが、ぱりっとしたマカロンを口に入れると顔をほころばせる。
「……甘いです。キャラメルの味が口に広がる」
「美味しいでしょう。今度、うちでお茶会をしましょう」
「……礼儀作法がなってないと小馬鹿にする気ですね」
「礼儀なんて糞食らえよ。パジャマを着て女同士で女子会をしましょう」
「…………」
レナはそれでもセシリアのこと疑うが、マカロンの甘さに屈したようだ。
「……もしかしてわたしはセシリアさんのことを勘違いしていたかもしれません」
と陥落をする。正直、ちょろい。
「今まで散々意地悪をされましたが、心を入れ替えたのですね」
「ええ、そうよ」
即座に肯定する。平民聖女様はその人となりによって攻略対象たちに愛される存在、基本的に人がいい。たしかにセシリアは彼女に意地悪をしてきたが、本格的な虐めが始まるのはもう少し先なのだ。今の段階ではまだ信頼を取り返せるくらいには踏みとどまっていたらしい。それを証拠に彼女の頭上の好感度は「28」まで上がっていた。
よしやった! と心の中でガッツポーズをするとレナと一緒に教室へ向かった。
手を繋ぎたいところであるが、好感度28ではまだ早いだろう。ただ、彼女と歩調を合わせることだけを留意した。それだけでも彼女の好感度は「1」上がる。
(今まで他人と歩調を合わせるなんてしたことがなかったからなあ……)
モナフォード家は比類なき名門一族、他者をおもねることはない。その家訓は、退かぬ、媚びぬ、省みぬ、であった。幼き頃から帝王学をたたき込まれ、下位のものの気持ちなど一切忖度せずに人生を歩んできたのだ。
しかし、今はその家訓を封印して他人様に好かれる人生を歩まなければセシリアは破滅してしまうのだ。
細心の注意を張りながら歩みを勧めていると、意地悪な顔をした生徒がふたりやってきた。
ひとりはツインテイルが特徴的な少女、ひとりはボブの少女、どちらも目がつり上がっており、険のある顔つきをしていた。
彼女たちは一卵性双生児のように台詞を重ね合わせてくる。
「「セシリア様、どうしてそんな芋くさい田舎娘と歩いているんですか!?」」
彼女たちの名前はロザンナとディアーナ、セシリアの子分である。彼女たちとは幼年学校時代からの付き合いで、徒党を組んでクラスを支配していた。
ちなみにツインテイルのロザンナが好感度「83」ボブのディアーナが「86」ととても高い。さすがは悪役令嬢三人衆と呼ばれるだけはある。セシリアたちの所属する薔薇組ではセシリアを頂点とする絶対専制主義が敷かれており、彼女たちはそれを支える役目を担っていた。――昨日までではあるが。今日から善人になると決めたセシリアはもう彼女たちとともに聖女レナを虐めるような真似はしなかった。
にこやかに微笑みながら彼女たちに挨拶をする。
「ごきげんよう、ロザンナにディアーナ」
「ごきげんようです。セシリア様」
「ごきげんよう、セシリア様」
彼女たちはスカートの端を持ってカーテシーをする。自分たちのボスに対する最大限の敬意を示してくれる。好感度相応の敬意を抱いてくれているようだが、だからこそ聖女レナと一緒に歩いているのが気に入らないようだ。
「セシリア様! なんでそんな田舎娘と一緒に登校しているんですか!?」
「セシリア様がそんな芋娘と歩調を合わせて歩くなんて。私たちと歩くときは覇道を歩むように進まれるのに……」
ロザンナにディアーナは信じられないと口をあんぐりさせる。そしてただちに正気を取り戻すように促してくる。
「正気もなにも私は正常よ」
「だってその聖女レナと仲良くしてはいけないって念を押すように命令したのはセシリア様じゃないですか」
「そうね。たしかに昨日のセシリアはそう言ったわ。でも今日のセシリアは違う」
「どういうことですか?」
「ちょうどいい機会だから言うわね。今日から聖女レナはセシリア・モナフォードの友人よ。友人を虐めるものはこのセシリアが許しません」
「な、友人!?」
「私たちでさえ友人ではなく手下と言い放っていたセシリア様が」
「信じられないわ。いったい、なにがあったというんですか」
「頭をぶつけたとか、落ちてるものを食べたとか、なにかあったに違いありません」
ディアーナは半分正解、と言いたいところであるが頭を打ったことによってこの世界がゲームの世界だと気がついたことを打ち明ける必要はあるまい。そう思ったセシリアは重ねて言った。
「ともかく、今日から聖女レナと仲良くします。もしも聖女レナに意地悪をするものあればそのものはモナフォードの家の敵とみなします」
モナフォード家は王国の中でも比類なき名門、そこの息女に目を付けられるということは、この国の権力機構に目を付けられるも同義であった。ロザンナもディアーナも貴族の出であるが、名門モナフォード侯爵家に逆らえる力も気骨もあるわけがなく、黙するしか道はなかった。
「「…………」」
ふたりはただ茫然とセシリアとレナを見送る。レナはキョトンとした表情を隠さない。ただ、一連の発言でセシリアの方針が変わったことだけは理解したようだ。
こうしてセシリアの手下の好感度は20ほど下がり、レナの好感度は10ほど上がった。手下には嫌われてしまったが、バッドエンドに関係するのは主にレナの好感度なので気にはしない。セシリアとすれば一刻も早くレナの好感度を80以上に上げ、平穏な学院生活を送りたかった。
「追放エンドも処断エンドもごめんよ。わたしはただの令嬢として慎ましやかに生きてやるんだから」
己の首に手をやる。そこには首があった。赤い血潮が流れていた。今後もしも選択肢をミスればこの首が落ちるという可能性もあるのだ。それだけは避けたかった。
「どんなことがあってもバッドエンドは避けて見せるわ。大神オーディンよ。どうかこのセシリア・モナフォードの生き様をご覧あれ!」
悪役令嬢セシリアは天にそのように誓い運命に贖うことを誓った。
さてはて、セシリアは好感度を見る能力によって己の運命を変えられるのだろうか。それは彼女の頑張り次第、今後の展開次第であるとここに銘記しておこうか。
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