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000 知留家と毘色
知留 毘色 男 10歳
生まれてから半年で言葉を発し、1年で文字を読み書きできるようになる。
両親から神童と期待され、様々な習い事やあらゆる知識を片っ端から吸収して(本という本を読み漁って)いたがPCにであってそれからは没頭していった。
6歳になると、対人的にはごく普通の年相応の子供のようにふるまうようになる。
知留家は神奈川県では名家として知られ、地元でも代々名士として地域に貢献してきた家柄であり、当然進学は有名私立校と定められていたが毘色はこれに従わず小学校を転校し地元の公立校に通う事を選んだ。
当初両親は強く反対し強引に私立校に入学をさせたが、本人が頑なに拒否し3年の時、登校拒否し続けたことであきらめ転入を認める。毘色が小学4年の7月のことである。
毘色はPCに関する新しい理論の構築の為、両親に最新のシステムをおねだりし、その莫大な費用のせいではじめは渋られていたが関連企業の商品開発に協力し、売り上げを上げることを条件に聞き入れてもらえたのだった。これ以降、毘色の能力が新しい理論や斬新な発明を次々に成し遂げ、人類がかつて成し遂げられなかった問題解決に向け走り出す。
さて、知留家は名家というだけではなく様々な分野の会社経営を手掛ける実業家家系であり、また、中でもある特定の方面の情報にたけていることから、それを求める大物業界人や政治家、そして時として裏社会の重鎮までもが非公式に知留家を訪れることもあるという、知る人ぞ知る闇の名家でもある。
一家に遺伝的に受け継がれる能力のおかげで、知留家は代々大きくなってきたのだが毘色にはその能力が色濃く受け継がれていた。
ただ毘色には今までに例のない能力が発現していたため、家族にも一目置かれる存在として扱われていた。
鎌蔵市内の扇ヶ谷の小高い山の中腹に需福寺という寺があり、山門の脇には今は民家が数件続いている。小高い崖をくりぬいた山門に続く脇道はそれら民家に続き、民家を右に回り込むと左手に山門が見えてくる。
民家を左に行くと、先は山肌に阻まれて進めないのだが、その先が実は知留家の裏門に続く隠し通路につながる小径となっていた。
この裏門が学校までの専用近道なので毘色は通学路として毎日使うことになる。
毘色が通う小学校を中心に物語は始まる。
そして彼の存在で周りの人間たちはどう変わっていくのだろうか。
彼を中心に世界が変革されていく。
--注--
この物語の世界は現在の地球とは違う惑星のお話しです。
この物語に登場する人物、地名、社名や屋号などは実在の物とまったく関係がありません。