第五話 あの頃の君へ
オーラを抑え込むことができた雫だったが
疲労に耐え切ることができなかった、そこで雫が見るものとは
「よく、あの膨大な量のオーラを抑え込んだものだ」
老人は雫の周りを包むオーラを眺めていた
「うっ。。。」
雫はうずくまる
「オーラを放出しすぎたのだろう、」
老人は雫を見下ろす
「どう言うことだ。。僕のオーラの量は多いんじゃないのか。」
雫は老人を見る
「あくまで、量だけの話だ。コントロールする技量が備わって無い、それにまだオーラの放出に体が慣れていないんだ。」
老人はベットに雫を運ぼうと担いだ
「くそ。なんでまた、あいつが。なんで俺にはこれだけしかオーラがないんだ。」
蓮はそう呟く
険悪な顔をして雫を睨んだ
かれこれして、クラスメイトはオーラの扱い、コントロールの練習勉強を始めていた。
一方その頃。
「ん。ここは、見覚えがある。」
雫は周りを見渡す
「雫....こっち」
聞き覚えのある声
「ここは。。前に見た城か」
雫は声のする方へ走っていった
「どこだ、君は誰なんだ!」
雫は周りを見ながら呼びかける
「ごめんね、今はダメなの。もうすぐ時間だよ。起きて雫」
声が掠れていく。
「待ってくれ名前だけでも!」
雫は見えない少女に呼びかける
「必ず。迎えにきて....し...ずく....」
声は消えた。
「はっ!!」
雫わ飛び起きるとそこはベットだった
「ここは何処なんだ、それになんだったんだ、あの夢は」
雫は頭を抱えた
足音が近づいてくる
コンコン
「おぉ起きていたか雫くん」
「あなたは、あの時の」
雫の前にはあの時の老人がいた
「やっと起きたか雫くんは、おおよそ3日寝ていた」
老人は雫に食糧と飲み物を渡す
「オーラが出ていないな、抑え方をいつ覚えたんだ」
老人が聞く
「え?」
雫は手のひらを見て確認する
雫はオーラが一切出ていなかった
雫にとっては、現実世界にいた時となんら変わりないので違和感は無かった。
「まぁ良い、まだ寝ていなさい。しっかり食べて寝れば明後日には全回復しているだろう」
老人は部屋を後にする
「確かに体重いなもう少し寝よう」
雫は再び眠りについた
「ん。」
雫の目の前には白い世界が広がっていた
「なんだこれ」
雫は目を擦る
「私はここに居る、助けて。早くきて雫」
声。
「またあの声。」
雫は走った
「雫。お願い早く」
助けを求める声
「リーリャ!.....ん?リーリャって誰だ」
雫は周りを見渡す
「私は彩光の楽園にいるよ早く来てしず.....く」
声が消えた
「彩光の楽園.....」
雫の目は掠れていき目が覚めた
「なんだったんだろう。彩光の楽園。まずここは何処なんだ」
雫は呟く。
「何日経ったんだ」
雫は立ち上がった
雫は顔を洗うために洗面所に立ち水を溜めた
「おい!......を離せ!.....今すぐ契約を......早く!.....」
水面に知らない光景が浮かび上がって来る
「なんなんだ。疲れてんのか。まだ寝てたほうがいいのかな。」
雫は顔を洗い廊下に出る。
「ん?誰もいないな。何処行ったんだ」
雫は各部屋を回った
「そもそも、なんで僕たちはこんな所にいるんだ。」
雫は小言を言いながら歩き回っていた。
おかしいい。誰もいない。そんなことが頭をループする。
どの部屋を見いても、蓮、一真、クラスメイトそして老人誰一人として居なかった
「何処に行ったんんだろう。」
雫は不安だった。
知らない場所、何故知らない場所にいるのか。全てがわからない状態。
不安になるのも無理は無かった。
雫は何もわからないまま外に出た。
そこに広がって居たのは。
「うわぁ。マジでなんだこれ。」
そこに広がって居たのは西洋の街並みに獣人、亜人、人間など様々な種族が共生している世界だった
「ん?なんだこの文字。読めないな。」
雫は歩きながら周りの状況を整理していた。
「hvbvsijjcnxcndjjpncsn」
「ん?何言ってんだ?」
雫は獣人が何を言っているのか理解できなかった。
「一体なんなんだ。」
雫はまだ知らなかった。
今の自分の状況に。
この世界にはオーラを持つものが9割占めている
雫には膨大な量のオーラが秘められているがなぜか今はオーラが出てない
そして、オーラを持たない1割の人間。いや魔族は人間に自害を加えるものとして恐れられて居た
これが何を意味するのか。雫は知る由もなかった。
「ねぇあの頃の君に手紙出さない?」
「まぁいいけど、なんか自分に手紙なんて小っ恥ずかしいな」
「いいじゃん。ね?文字の読み方くらい教えてあげなよ。これから沢山の困難が待ってるんだし、手貸してあげようよ」
「そうだな。」
「あの頃の君へ」
なぜか、雫の周りから人がいなくなりそれを疑問に思っていた雫
これから先どうなっていくのか
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