~序章~この世界と歴史について
―あらすじ―
ここは地上からはるか上空に浮かぶ大陸『シェンテリオ』
澄み渡る青空と、どこまでも続く雲海の上に存在し、その風貌は見る者を圧倒する。
しかし、シェンテリオも地上と同じく人間、モンスター等が数多く存在し平穏な日々を過ごしており
多種多様な文化、文明が共存する社会で形成されている。
多文化社会であるということは
多種多様な文化の形成や、目覚ましい文明の成長を促す反面
それに比例する様に争いや戦争が今まで幾度となく勃発していることも事実だった。
その戦争の引き金には天空大陸シェンテリオの中心に悠然と聳え立つ
聖樹「ユグドラシル」の存在があった
ユグドラシルの周囲には豊富な作物や自然が際限なく自生し
未来永劫の繁栄を約束された大地として
シェンテリオ中の全勢力が手中に収めたい魅惑の土地でもあったのだ。
聖樹ユグドラシルを巡る戦争は「聖樹大戦」と呼ばれ
シェンテリオでは300年もの間、聖樹を奪い合う骨肉の争いが繰り広げられていたのであった。
しかし、そのような状況が一変するある出来事があった。
英雄「バルファール」の誕生である。
彼は突如として現れ、シェンテリオ各地で発生した大規模な戦争を
己と三人の仲間のみで争いに介入し、圧倒的な力で抑えることで封じ込めたのだった。
バルファールは仲間である三賢者と共にたった4人でシェンテリオ統治後
己の命、として聖剣「グラナド」の力と引き換えに
シェンテリオを3つの大陸に分割したのだった。
そして今現在、この世界には天空大陸「シェンテリオ」以外にも
2つの大陸が存在している。
地上界「リガイア」
深界「アンブレシー」
かつて1つだった大陸は
分断されてから約500年もの歳月を経て
異なる大地として文化を形成し始めたのだった。
そして聖樹をめぐる大戦から500年―。
大戦以降、シェンテリオには大陸を守る為に新たに軍を設立した。
その名を『聖軍バルファール』と呼び、日々シェンテリオの警護に勤しんでいる。
何故このような軍が構成されたかというと、
大陸分裂後の停戦状態でも聖樹を狙う者が存在している事
そして聖剣「グラナド」の存在である。
かつての英雄バルファールが使用したその聖剣を
手に入れることができれば
この世界の覇者となれるという伝説が有る為
たとえ聖剣としての効力を失っているとはいえ
所持することで世界に影響を与えることが有り得るのだ。
そしてそれは天空大陸の者だけではなく、地上界のモンスターや人間、更には深界の民までもが
聖剣を強奪しようと目論んでいるのだった。
このような現実を目の当たりにした天界の統治者達は、
天界を統括できるよう聖軍バルファールを結成し、
広大な天界を協力して警備しようと考えたのだった。
停戦後から聖剣を守護し続けた聖軍バルファールは、
聖剣の警護だけでなく、天界各地の治安の向上にも多大なる貢献をした結果、
停戦500周年を迎えた現在は、誰もが憧れる天界最大の最強の軍として地位を築いたのであった。
故に天界を守護する聖軍バルファールに入隊しようとする者は後を絶たず、
停戦500周年である今年は近年最も多くの者が入隊を希望し、
バルファール軍の本拠地である聖都グランリオでは
入隊テストが今年も行われるのであった。