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旅路に立ち込める暗雲
「……いやぁ、ヒヤッとしたね。あれが、キミのいうところの黒のヌルジールってやつなのかい?」
「そうよ。それにしても、よくそんなでまかせが出るものね。白のヌルジール」
「まあ、おしゃべりだからねー。キミの偽名をとっさに出すくらいなんてことはないよ、ミャイケニッヒラァン。さて、頼みたいこと、わかってるよね?」
「……ええ。黒のヌルジールの監視。私ならば、見つかることなく可能よ。私がはなれている間に感づかれて詰むなんて、無様な事態にならないことを祈るわ。白のヌルジール」