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ようやく解放されたスオウは、疲労を吐き出すかのように溜息を吐いて席を立った。
時刻は夜十時を回った頃。気づけば今朝からコーヒーとエナジードリンク以外、何も口にしていなかった。そう気づいたと同時に、胃がぐるぐると唸り空腹を訴えかけてくる。
「さすがに何か食べるか……」
広いマンションの一室で、軽く背伸びをして体を捻る。節々が軽い音を立てた。
財布と鍵を手に取り、部屋着のまま外へ出る。エレベーターはすぐに到着して、スオウを地下の駐車場まで運んだ。
正直なところ、アウルの事が気がかりだった。デバッグをやらせたのはスオウだが、果たして上手くいくのかスオウにもわからない。きっとアウルなら、目的を果たしてくれるだろうと思っているものの、そんなに上手く事が運ぶかどうかは未知数だった。
スオウにしてみれば、不確定である以上最後まで気が抜けないとも思っていた。
「ま、方法は色々考えてあるし、なんとかなるだろう……なんとかしなきゃな」
車に乗り込み、夜の住宅街を走り出した。