17/59
16
「みんないらっしゃい、ゆっくりしてけよな」
マイクに向かい、声色を変え明るく話すスオウ。画面内のポリゴンを手で切り替えながら、いくつものキャラを演じる。
「あぁわかってる、みんなが聞きたいのはアウルの話だろ?」
来場者はいつもの十倍にも膨れ上がり、スオウは複雑な心境で笑って見せた。コメントも、心なしか棘のあるものが多い。
「あいつなら元気にしてるよ。ただちょっとばかり、準備が必要でな」
恐ろしい速さで流れていくコメントの中から、知っている名前のキャラを見かけポリゴンを切り替える。声色をまた変え、今度は見目麗しい少女へと変わった。
「今日はアタシの放送で我慢してくれるぅ?」
その声は、某アニメの主人公にそっくりだった。
棘のあるコメントが多かった流れが、一気に変わる。次々と飛ぶリクエストの数。
「はいはぁい、少しずつやっていくから順番は守ってねぇ♡」
単純で、言う事を聞かないリスナーに、スオウは笑みを零していた。




