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クロックロック  作者: 海咲えりか
始まりの街ラチュラ
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「みんないらっしゃい、ゆっくりしてけよな」


 マイクに向かい、声色を変え明るく話すスオウ。画面内のポリゴンを手で切り替えながら、いくつものキャラを演じる。


「あぁわかってる、みんなが聞きたいのはアウルの話だろ?」


 来場者はいつもの十倍にも膨れ上がり、スオウは複雑な心境で笑って見せた。コメントも、心なしか棘のあるものが多い。


「あいつなら元気にしてるよ。ただちょっとばかり、準備が必要でな」


 恐ろしい速さで流れていくコメントの中から、知っている名前のキャラを見かけポリゴンを切り替える。声色をまた変え、今度は見目麗しい少女へと変わった。


「今日はアタシの放送で我慢してくれるぅ?」


 その声は、某アニメの主人公にそっくりだった。

 棘のあるコメントが多かった流れが、一気に変わる。次々と飛ぶリクエストの数。


「はいはぁい、少しずつやっていくから順番は守ってねぇ♡」


 単純で、言う事を聞かないリスナーに、スオウは笑みを零していた。

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