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第698 16話 闇の刻前夜

 時刻は深夜に差し掛かる数分前、私は駅のホームで最終列車を待っていた。


 駅のホームは私以外の人影は見受けられず、辺りは閑散とした雰囲気が漂う。


 そんな閑散とした駅のホームで何かがやってくる音が聞こえる。私はそれが常日頃から聞いている電車の音であると認識した。


 暗闇から電車がやってくる。二つの光で前方を照らしながらやってくる。


 私は電車に乗り、座席の端に座りながら発車するのを待つ。外を見ると建物からの光は殆ど無い。街灯だけが光と呼べるものだった。


 やがて電車は扉を閉め、私を運びだす。


 電車の窓の向こうは街灯を除いて暗闇が広がっている。外があまりにも暗すぎる為か、反射で座っている私が写っている。しかし、私が見ていたものはその奥の暗闇である。


 疲弊した体が全体の感覚を鈍らせる。睡魔をも感じず、ただ暗闇を眺めるだけ。


 世界はまもなく深夜帯に入る。光は眠り闇が起きる。私が今見ている光も少し経てば消えるのだろう。


 降りる駅に到着する。私は電車から降りて、駅から去っていく電車を見届ける。


 私は線路の上で立ち止まる。右を見ると電車の光が見える。左を見ると線路が暗闇へと伸びている。


 私は少し眺めた後、改札を通り、駅を後にする。


 私は暗闇の中を歩いていく。駅から伸びる光が徐々に届かなくなる。



 男性は家に帰る為に闇の中へと消えていった。

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