第1601 15話 誘い
太陽が照らす真昼間。一人の少女は軽快に道をかけていく。
「きゃ〜!寝坊しちゃった!このままだと遅刻しちゃう〜!」
遅刻する場所なんてないのに、そんな事を言っていた。
「どこに行こうかな〜!メールだ!」
少女は楽しそうに走る。そこに着信が一つ彼女の携帯に届く。
「誰からかな〜」
『深夜へようこそ』
「なんだろ〜これ〜」
少女にはわからなかった。
「今はまだ昼なのに!何言ってんの!アハハ!」
少女は楽しげに道を走っていった。通知が大量に届いていたのにも関わらず……。
『深夜へようこそ』
『深夜へようこそ』
『深夜へようこそ』
『深夜へようこそ』
『深夜へようこそ』
『深夜、待ってろ』
『アハハハハハハ』
『アハハハハハハ』
『アハハハハハハ』
『アハハハハハハ』
『アハハハハハハ』
『アハハハハハハ』
『アハハハハハハ』
『アハハハハハハ』
『アハハハハハハ』
『アハハハハハハ』
『アハハハハハハ』
『アハハハハハハ』
太陽も落ち、夜がやってきた。少女は家に帰ると、携帯を開く。
「……へ?」
少女は変な声を出した。それと同時に少女は悪寒を感じた。
「……え?、え、えぇ」
少女は気持ち悪くなり。迷惑メールに入れようとした。しかし、そこに新たなメールが届いた。
『逃 が さ な い』
文字を認識した瞬間、少女に暗闇が襲った。
「いやあああああああああ!!!!いやだ、イヤダ、イヤダ……ァ……」
少女は暗闇に飲み込まれていった。
少女は闇に誘われた。暗い暗い闇の底。彼女から光は消えた。全てが終わり、生涯を闇と共に終えていくのだ。
光を飲み込む深夜。一人の少女は道を彷徨う。
「ネボウシタ……チコク……」
遅刻する場所なんて無いのにそんな事を言っていた。
「……メール」
少女はのらりくらりと歩く。そこに着信が一つ彼女の携帯に届く。
「……ダレ?」
『素晴らしい世界にようこそ』
「……」
少女にはわからなかった。
「イマハ、マダ……ヒル……アハハハハ!」
少女は狂いながら闇の中へと消えていった。
携帯は静かに鳴る。
通知が一つ届く。
『ジャーネ、バイバイ』
そう告げて携帯は機能を停止した。