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SS隊の惑星日誌  作者: たけすみ
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自由な星の住人の話

「……脱出ですか?ということはこの星はもう崩壊寸前なんですか?」

星の寿命が来たり無茶な惑星開発などで崩壊する惑星は数多くあります。前者は前もって惑星から出て行けばいいですが後者はそんな呑気な事を言ってられない時もあります。そんな時の為にあるのが小型の緊急脱出用宇宙船です。今回の業務はそれを回収するのが目的との事です。


でも、そうなると脱出手続きをする人はもっといるはずで、私達以外にも回収班としてSS隊が派遣されていてもおかしくないんですが。

「そうですネ、本来惑星からの脱出というのはその星が崩壊する時に適用される事が多い手続きでス。ただ、別に崩壊時限定というわけではではないのでス。」

そう言って手元の情報端末を操作するティーさん。

「そろそろですネ。詳しくは本人に聞いてみたらいいでしょウ」

端末の操作を終え、また外の様子を確認するティーさん。すると、惑星の方から何かがこちらに向かってきました。見た目はカプセルの錠剤の様な見た目で、それほど大きいものではありません。それが緊急脱出用宇宙船です。

「では回収に取り掛かりましょウ」



「いやー助かりました!おかげさまで無事にあの星から出る事ができました!本当にありがとう!」

宇宙船を無事回収し、中から出てきたのは髭を生やした陽気なおじさんでした。

今は宇宙船内部の多目的ルームで私とティーさん、おじさんで話をしています。

「イエイエ、これも仕事のうちですからネ。脱出が終わったのでこの付近の銀河市役所に送りまス。その後は役所の指示に従ってくださイ」

「ホント何から何まで助かります!今回の移星は大失敗だったなぁ!アッハッハ!あ、お茶もらいます!」


「あの星はどんな感じでしたか?私は名前しか聞いたことがないので詳しく知らないんです」

軽い談笑を交わした後、ふと思い出したので聞いてみることにしました。するとおじさんは待ってましたと言わんばかりに笑顔を見せてきます。

「聞きたいかねお嬢ちゃん!あれはすごいとしか言えないね、なんせ何もかもが自由!星としてのルールはないんだ!俺としては永住したかったんだがなぁ……」

先ほどまでの笑顔とは一転して悲しそうな顔になるおじさん。

「結局どの辺りが問題だったんですか?私としては自由というのはとても良い事だと思うのですが」

おやつも好きなだけ食べられるんでしょうし。

「そうだなぁ……お嬢ちゃんのいう通り自由はいい!……でもな、何事にも限度があるんだよ」

そう言うとおじさんは宇宙船のモニターからさっきまでいた星を眺めながら話してくれました。

ーーあの星にあった問題を。

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