SS隊の仕事の1つ
無事惑星ギャングと惑星管理人を宇宙警察署に送りつけ、私達の任務は終了、無事に晩御飯を食べに行く事ができます。
「ティーさん、鉄板焼きです。鉄板焼きを食べに行くのです」
私は連絡端末で電話しているティーさんの手を掴み、行きにあった鉄板焼き屋さんに向かいました。
「ハイ、ハイ、では後の事はお願いしまス。お疲れサマですー。……モー、そんな急がなくてもお店は逃げませんヨ?」
私に手を引かれながらティーさんはそんなことを言ってます。
「ダメです。お腹がもう空きすぎています」
そうこう言っているうちに着きました。この匂いは間違いなく今朝通った時と同じ匂い、確実にこのお店です。今からワクワクが止まりません。
「よし、では行きましょう!」
「ごちそうさまです」
「ごちそうさまでス」
美味しかったです。こうやって他の星の料理を食べる。このために警備隊にいると言っても過言ではありません。
「……ティーさん、しばらくはこの星にいましょう。他にも美味しいものをたべたいです」
今のところは他の任務もないはずですし大丈夫でしょう。
「…………アー、それがですね?スーさん」
なんとも歯切れの悪いティーさん。これは嫌な予感がします。
「捕まえた惑星ギャングのメンバーがこの星付近にいるみたいなので早く捕まえてこい、とのことデ……」
「そうですか。だったらすぐにでもつかまえーー」
「! スーさんアブナイ!」
「?」
私がその意味を聞く前に、隣の壁が吹き飛びました。吹き飛んだ壁の向こうから1人の男が入ってきました。
「よーし死んだな!死体の確認をしろ!」
「生きてますヨー」
ティーさんが壁を爆発させたであろう男を撃ち倒し、壊された壁の方から少しだけ頭を出し見渡すと、そこには見ただけで悪そうな方々がいました。
「ティーさん、彼らは確実に惑星ギャングの人達です」
「奇遇ですねネ。ワタシも同意見でス。これが俗にいうお礼参りというやつですかネ?」
なんか違う気もします。
「お前らよくも俺たちの仲間を連行しやがったな!今からお前らもボコボコにして野良犬の餌にしてやるから覚悟しやがれ!」
1人のギャングが声を荒げると数十人のギャング達がすぐにでもこちらに襲いかかろうと構えていました。
「ヤレヤレ、でもこれでアジトに向かう手間が省けましタ。スーさん、全員連行してやりましょウ」
「そうですね、これでしばらくこの星で休暇が取れるというものです」
私は腰についている箱からナックルを取り出し答えます。
「テメェら!やっちまえぇぇ!」
その言葉を皮切りに大乱闘の幕が開けました。
「サテ、スーさん。彼らに思い知らせてやりましょう」
迫り来る大群を前に割と余裕そうなティーさんが話しかけてきます。
「何をです?」
「アララ…、ここはカッコつける場面ですヨ?ワタシタチ2人の隊の名前を彼らに知ってもらうのでス」
私達の隊の名前、それは――。
「……SS隊」
「ソウです!この銀河の愛と平和を維持するSS隊なのでス!」
まあ他にもSS隊の部隊はいくつもありますけどね。それに愛についてはティーさんが勝手に言ってますね。
「さあかかってきなさイ。ワタシタチ2人の力を見せてあげましょう!」
「めんどくさいです1人でやってください」
「スーさん!やる気出しテ!」
そんな呑気なやりとりをしながら2人は大群の中に身を投じるのであった。
遠い未来、人類は母なる地球を捨て、宇宙の支配者となっていた。
支配者となった彼らは宇宙政府を発起、さらにとある部隊を設立し、人の住める星の発見、新たなる宇宙の発見、宇宙用の法整備などの宇宙開発に全力で取り組んでいた。
その部隊の名は宇宙警備・探索隊、通称SS隊。
この話は、そんな宇宙探索隊の2人、ティーとスーの話である――!
「ところでティーさん、あなたはロボットなので2人ではなく1人と一機の方が正しいのでは」
「アー!もうスーさんそういうところだけこまかいんだかラ!」
2人の話である!