なぐりあいSS隊
1週間前。
「ここがあの闘技大会で有名な惑星ですか」
「ええ、もうすぐ年に1度の銀河系の腕に自信があるもの達が集まる大会が開かれるんですヨ」
しかしまあ、とティーが大会のチラシを見ながら続ける。
「中々にいいタイミングでしたネ、宇宙船の整備は最低でも1週間かかるそうなので試合の見物でもしますカ」
2人の目的は闘技大会の見物ではなかった。彼等の使っている宇宙船の部品の一部が故障したのでそれを治すために着陸したのだ。ただ1番近くがこの惑星だったというだけだった。沢山の宇宙船はあったがSS隊の緊急権限として優先的に着陸させてもらっている。
街は闘技大会の話題で持ち切りだ。至る所の壁にポスターが貼られ、道の様々なところでチラシが配られている。
渡されたチラシを見ながらスーは聞いた。
「ティーさんは闘技大会って見たことありますか?」
「何回かありますヨ?それがどうかしましたカ?」
本部に連絡を取りながら答える。
「出場してみたいって思ったことはありますか?」
ピタッとティーの手が止まる。モノアイの形は怪訝な表情を表そうと動いていた。
「……ダメデスヨ?」
「何も言ってませんが」
「どうせ腕を試したいというのでしょウ?」
図星だったようだ。やれやれと大げさな動きでティーは諭す。
「いいですかスーさん。あくまでも我々は宇宙船の修理に来ただけでス。これも仕事の一環みたいなものでス。それなのに自分の勝手な欲望デ──」
「仕事って言う割にはさっきまで観戦するとか言ってたじゃないですか」
「ウッ」
と、その時だ。ビルに取り付けてある巨大なモニターから声が鳴り響いた。
『イェーイ!みんな〜!この惑星に集まってくれてありがとー!俺だよ!』
モニターからは暑苦しい顔のおっさんがはしゃいでいる姿が映し出された。




