夏祭りタイム!
「ヨシ、捕まえてきまス。今のうちにスーさんは他の人に連絡をお願いしまス」
ティーは言い残し人混みの中へ入っていった。
引ったくりの男は頭を抑えて悶絶していた。無理もない、水玉は時間か水玉を出した本人から数メートルを超えるとふやけて水に戻る。とはいえすぐにふやけるのではなくゆっくりと水に戻っていく。なのでティーが水玉を投げた速度ではほぼふやけてない硬度と同じだったのだ。それが頭に直撃すればこうなる。
「うぅぅ……」
「大丈夫ですカ?立てますカ?」
かなり痛そうにしていたので流石にティーも心配した。そして手を出したその時。
「うぁあ!」
叫び声と共にティーの手を掴む。
「お前ら動くな!こいつは人質に、ってうわ眩しい!」
「……」
ティーはまだ光っていた。怯んだ隙に手に持っていた凶器をはたき落とす。
「残念ながらワタシはロボットなのでナイフじゃ大した傷もつきませン」
そうは言ったがこの男はそんな事よりも眩しさに目がいったのであろう。ティーはなんとも言えない気持ちになった。
「おーいT犯人を捕まえにきたぞー」
しばらくすると他の隊員たちも来てくれた。先ほどの2人組だ。
が、その顔は笑いを我慢して引きつっていた。
「なんなんですかその顔ハ」
「おいちょっと待て近づくな光りすぎているぞ」
「レインボーすぎるでしょお前!」
ひたすらに笑われているティー。
「写真撮ろうぜ写真!」
「いいねぇー」
「やめてくださイ!」
そんなはしゃいでる姿に女性隊員とその肩を借りているスーが近付いて来た。
「あらあら、ホントにピカピカねT」
「はい、近くにいると眩しくてしょうがないです」
「おーい、みんなでレインボーTと記念写真撮ろうぜ!」
「はいはい、撮ったらすぐ犯人を連れて行くわよ?行きましょうかスーちゃん」
かくして、祭りの騒ぎは収まった。




