夏祭りタイム!
「ではすぐに捕まえましょう」
「ハイ、……目標補足、こっちに向かってきてますネ。この道を通ることは間違いないでしょウ」
「了解です、では早速待ち構え……ひん」
その時だった。スーの下駄の鼻緒が切れた。そしてそのままバランスを崩し倒れてしまったのだ。
ティーは慌てて駆け寄る。
「大丈夫ですカ⁉︎」
「大丈夫ですけど、足をくじいてしまいました……。私のことは気にせずひったくりを捕まえてください」
とは言ったもののスーの小柄な体で人ごみをかいくぐって捕まえる算段をとっていたため、今からティーが行っても間に合わない。もうすぐひったくり犯はこの道を通過するだろう。
(アア、一体どうすれバ)
「ティーさん?早くしてくれないと逃げちゃいますよ!もう、今日に限ってBBも持ってきてないとは浮かれてました」
(たしかにBBが有れば遠距離からでモ……!)
その時ティーは1つ閃いた。
「スーさん!今すぐに水玉を出してください!」
「え?なんでですかいきなり」
「はやク!」
スーは理由がわからなかったが、
「オラどけぇ!道を開けろ!」
もう時間がない。そこまで犯人の声が聞こえて来た。
「っ!わかりました。……出ろ!」
もうティーに任せるしかないと彼女は判断した。
スーの手からバレーボールほどの大きさの水玉ができる。それが射出される直前に──。
「貰いますねスーさん!」
無理やりその玉を手に取りそのまま、
「ヨイショー!」
「どけど、グエー!」
綺麗なフォームでひったくり犯の頭に直撃させた。
「130キロですネ」
ドヤ顔だった。




