夏祭りタイム!
「さて、この辺りを中心にしばらく見回りましょウ」
「わかりましたティーさん」
2人は祭り会場の一角にいた。
「スーさん、そろそろ下駄にも慣れましたカ?先ほど迄はまるで産まれたての子鹿みたいでしたガ」
真面目な顔も歩く事に集中した結果だったようだ。
「うるさいです。……とりあえず歩けるようにはなりました。走れはしないですが」
「ヨロシイ、別に走る必要はないですからネ」
人ごみの中を離れないよう手を繋いで歩く2人。
「……特に異常はなさそうですね」
「いいことでス。このまま何もなく終わるといいですネ。ア、スーさんわたあめ食べまス?」
「食べたいです」
「じゃあ行きましょウ」
2人は近くにあった屋台に買い物をしに行く。
スーは最初は仕事中なので断っていたが一般客のふりをする為というティーの力説の前に屈した(本人も実は食べたかったのもあるが)のだ。
「大体振りも何もティーさんのその着ている警備員用シャツでバレるじゃないですか」
綿あめをもふもふと食べながら愚痴る。
「マアマア、美味しいでしょう綿アメ?」
「甘くて美味しいです」
綿あめで無事丸め込むことに成功した。
「それは良かっタ。さて次は……ン?」
「どうしました?」
ここでティーが不審な物に気づいた。視線を追ったスーも気づく。
「りんご飴……」
ティーが名前を読む。
一見普通のりんご飴の屋台に見える。が、黒塗りの看板に赤文字で名前が書いてあるその屋台の名前には続きがあった。
「イジング?」
スーが続きの名前を読んだ。りんご飴イジング。謎のお店がそこにはあった。




