Iam a Hero Show
全員死んでしまっただろう。いやな映像が頭によぎる。それでも先ほどまで人質が居たところまで2人揃って走りよった。すると──。
「……ティーさん」
「……ええ、これは一応よかったのでしょうネ?」
そこには穴があった。ラドックは人質の周りの床に爆薬を設置していた。爆発で床をくり抜き1つ下の階に人質を落としたのだ。
とにかく人質は無事だった事に胸を撫で下ろした2人。するとその背後から声が聞こえてきた。
「流石はSS隊だ!やはり俺様の逮捕よりも人命救助を選んだな!」
ラドックの声。ハッとして振り返るとそこには破壊されたビルの横壁とそこから宇宙船に乗り込んでいるラドックが居た。
「ラドック様、他の階の者の回収も終了しました」
「そうか。それじゃあ撤収するぞ。じゃあなSS隊!お前らの顔は覚えておく!俺様の部下達の借りは返すからな!ハッハッハッハ!」
最早追いかけても間に合わない。ただ愉快そうな笑い声を残してラドラド宇宙海賊団は空へ昇っていきビルから姿を消したのだった。
ラドック達の開けた穴から空を見上げる。もはや小さな点となった宇宙船を見ながらスーは悪態を吐く。
「クソ、逃げられましたね……結局好きなように暴れさせてしまっただけですし最悪です」
「口が悪いですよスーさん……ですがその意見には同感でス。次は絶対に捕まえましょウ」
とりあえず、本部に連絡を取りましょウ。とティーは端末を取り出した。




