Iam a Hero Show
「オラオラでてこいそこにいるのはわかってんだぞ!」
ドガガガとあたりに銃を乱射する音が響く。ティーは近くにあった店のカウンター裏に隠れていた。
『じゃあティーさんは同じ棟の1階なんですね?私は屋上なんで、本隊は真ん中あたりの階にいるんですかね』
スーは状況の整理のためティーに連絡を入れていた。ティーは真上を銃弾がかすめたのを確認しながら話を続ける。
「多分そうなりますネ。デパート同士の通路が爆破されてましタ。他の場所の通路を塞いだということは彼らはこの棟だけを狙ってきたのでしょウ。彼らはラドラド宇宙海賊団でス。服のシンボルから判定しましタ。彼らは数年に1度こうしたデパートを襲ってくる傾向にありまス」
理由はわかりませんガ、と付け加えたティー。
『心当たりはさっきできましたよ』
スーから写真が送られてきた。
「オヤ、これハ……」
送られてきた写真について話そうとした時、近くに黒い物が飛んできた。煙を上げていて確実に危ない雰囲気を出している。
「スーさん後でまた!ちょっと爆発しまス!」
『はい?一体どういう』
ドゴンと重い音とともにカウンターは吹き飛んだ。
粉々になったカウンターを睨みながら1人の男が怒鳴った。
「おい誰だ手榴弾投げた奴!相手はロボットだぞ!形が残ってれば売れるんだ!気をつけろ!」
「は、はいすいません兄貴!」
「まあいい、次からは気をつけろよ。メモを取っておけ」
「「「はい!」」」
周囲の盗賊団の男達がメモを取り始めたのを見計らってティーは行動に出た。
「メモはいいですネ。書いて覚えるのは大事でス」
「うわっ」「ぎゃあ!」「げっ!」
メモを取っていた男達はバタバタと倒れていく。最終的に兄貴と呼ばれていた男だけが残っていた。
「デモ、先に覚えるのは宇宙法律ですヨ。これもメモに取っておくといいですネ」
柱の影からティーが出てきた。男は憎々しげにこちらを見ている。
「てめぇよくも俺の部下たちをやってくれたな」「そんなことより聞きたいことがあるんですガ。だからあなただけは残しておいたのでス」
ティーは端末を開き先ほど送られてきた写真をみせる。端末は画像を空中に浮かび上がらせた。
スーから送られてきた写真は屋上の男が持っていた紙だった。そこにはこう記されていた。
〜ラドラド宇宙海賊団新人研修のしおり〜
「これが新人研修だというのは本当なんですカ?」
「ああ、そうだよ。普段ならこんなチャチな仕事はしねえが今回は新人のための仕事だ」
「となると数年に1回あったりしたデパート襲撃事件モ?」
「新人研修だ」
「ナルホドナルホド」
頷きながらティーは倒れている警備員をちらりと見る。彼はすでに事切れている。
「……じゃあ、彼らを殺したのモ」
「新人は殺しにも慣れてないからなぁ。そこまで全部ひっくるめて新人研修だって言ってんだよ!」
男は銃を構えようとした、が、おそい。銃は弾き飛ばされた。うろたえる男に近づいていく。
「あなた達の目的はよく分かりましタ。ただ、このしおりには1つ間違いがありまス」
「あなた達が帰る場所は宇宙船ではなく」
ティーのスタンガンは男を捉えて離さない。
「牢獄でス」
それは抵抗しようとしたのか逃げようとしたのか、はたまたただの体の反射か、男がほんの一瞬、動いた瞬間に引き金をひいた。声を出す暇さえなく男は倒れた。
「……スイマセン、間に合わなくテ」
ティーは死んでしまった警備員達に謝っていた。
「……ヨシ!スーさんに報告しましょウ!」
しばらくし、ティーは気を取り直して携帯端末を使いスーと連絡を取るのだった。




