突撃隣の救難船
3人は通路を走っていた。その時にティーはスーの使っている武器に気づき、怪訝な声をかけた。
「スーさんまたエアーガン使ってるんですカ?早くスタンガンに慣れてくださイ」
追いかけてくるオクトパスを次々と倒しながらティーは言う。それをかいくぐり襲いかかってきたオクトパスにスーは銃口を押し当てながらエアーガンを撃ち吹き飛ばす。
「うるさいですね、私はこれしか使えないんです。大体どうやったらあんな遠くに弾が当たるんですか」
「数メートル先も当てられないのはスーさんの問題ではないですかネ……」
エアーガン。ティーが持っているスタンガンの前に作られた銃だ。圧縮された空気を打ち出し相手を無力化できないかと作られたモノだが結果として銃口から数センチの距離でしか使えない失敗作として生産は中止された。が、射撃の才能が全くないスーにとってはこの上なく優秀な近距離武器となったのである。
「それにエネルギー式なのでティーさんみたいに弾切れの必要がないんですよ。誰のおかげでリロード中のフォローが出来てると思ってるんですか」
「それも交互にリロードすればいいだけでハ?」
「喋ってないで早くしてください」
「オオウ理不尽!」
暫く走っていると宇宙船が見えてきた。
「あと少しでス!ラストスパートですネ!」
背後からのオクトパスの数も数えきれない程増えていた。途中から迎撃もやめて逃げるだけになっていた。
「とにかく走ってくださイ!全員乗ったら即出発ですヨ!」
後ろを振り返る余裕もない。最初に宇宙船についたのはスーだ。次いで王子、ティーと転がり込んで行った
操縦席に行かなければ船の出発はできない。スーはクタクタになった体を休める事なく立ち上がろうとする。
「早く操縦席に行きましょう」
焦りを見せるスーとは裏腹に余裕を見せているティー。
「その心配はありませんヨ。出発してくださイ!」
ティーがそういうと宇宙船は浮かび上がり始め。宇宙船外にしがみついていたオクトパスは振り落とされ、彼女らは、そのまま宇宙に飛んでいった。




