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SS隊の惑星日誌  作者: たけすみ
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SS隊の仕事の1つ

時間としては数秒でした。しかし体感は何分も経ったような気がします。

銃声が止み、私達の正面の部屋の壁はボロボロに崩れ去ってしまいました。そこには何人もの人達が銃火器を持ってこちらに構えていました。

……まさか部屋越しに乱射してくるとは。前言撤回。今までのゴネ方の中でも一番すごいんじゃないでしょうかね?

更には、先ほど銃火器を撃っていたであろう男たちの動揺した顔もよく見えます。

「おい、はなしがちげぇぞ!この量の武器でなら少なくとも片方ヤレるはずだろうが!」

なんか一番偉そうな態度の男が管理人さんに怒ってますね。

「え、ええ、そのはずです。なんたって相手は骨董品のようなロボ1体と小娘だけですよ⁉︎」

「じゃあなんであいつら2つとも生きてるんだよ!」

「……やれやれですネ。私を骨董品だなんでトンデモないですよ」

私をかばっていたティーさんがゆっくりと管理人さんの方を向く。

「私のことはアンティークと呼んでくださイ!」

「ティーさんって変なとこオシャレ意識してますよね」

ロボットなのに。しかもかなり古い。

「オシャレは大事ですからネ!人としテ!」

「あなたロボットじゃないですか。しかも冷蔵庫みたいな四角さの」

「あーヒドイデスー傷つきましター!」

「うるせぇよ!今度こそスクラップにしてやるぁ!」

「皆さんお願いします!」

私達の言い合いを遮り怒号が響く。一斉に銃をこちらにむけてくる。数は全部で12人。これは、

「ティーさん、任せました」

素早くティーさんの後ろにかくれましょう。おんぶされてるみたいですがこれが1番安全です。

「了解でス」

直後、ティーさんに向けて銃弾が一斉に撃ち込まれました。


激しい銃弾の雨。私はティーさんを盾にします。

しばらくすると銃弾の雨が段々と減っていきます。弾切れ、という訳ではありません。

「フフン、そんな弾ではこの機能性と見た目を存分に重視した素敵ボディに傷一つつける事はできないでスねぇ」

すごい、ロボットのくせにドヤ顔がすごくわかりやすい。前から見なくてもわかる。

「くそ、どうなってやがる⁉︎なんでアイツはこれほどの銃弾を受けて平気なんだ!」

「本当にあれは古い型のロボットなのか⁉︎最新の奴でもここまで撃ち込まれたら何処かしらに損傷が出るはずだぞ!」

相手の人の動揺もよくわかります。

そう、ティーさんは確かにロボとしてはとても古いタイプです。全体的に角ばっていて機動性もそこまである様には見えません。

ただしそれは見た目だけの話。実際は宇宙政府の技術を存分に使ったハイスペックロボット、それがティーさんです。

「さあ皆さん、おとなしくお縄についてくだサイね!」

どこで覚えてきたのか、それらしいセリフを言いながらティーさんはスモークを炊きながら銃を打ち続けています。ロボットなので多少の煙は問題ありません。なんでも相手の温度で場所が分かるとか言ってました。

「くそッ前が見えなウッ」

1人、また1人と床に突っ伏していきます。そしてついに残りは管理人さんと偉そうな人だけになりました。

「さて、今ならなかった事にして賃貸料と口止め料をくれたら許してあげますヨ?」

銃をクルクルと回し銃口に息を吹きかけながら(呼吸はしませんが)話すティーさん。

部屋からは撃たれた人達のうめき声がきこえます。今回の任務は滞納金の支払い及び支払い不可能の場合の身柄の拘束。なのでティーさんは今回相手を行動不能にするための暴動鎮圧銃・スタンガンを携帯しています。

「ちぃ!おい、早くあれを起動させろ!」

「は、はい!……起動しました!」

がこん、がこんと何かが動いている音が聞こえてきます。

「この音はまさか……」

煙が晴れた先には管理人さんと偉そうな人と、そしてロボットがいました。


「フホウナ侵入者ハッケン。直ちにショリします」

そのロボットはそう喋りながら警棒を手に取りました。

汎用型警備ロボ、それ自体はよくいます。がーー。

「どういう事ですか?それは宇宙政府レンタルのロボットのはずですが」

そう、それは宇宙政府のレンタル品であり政府の職員には反抗できない様に設定されているはず。

「ガハハハハ!そんなもんハッキングでちょちょいのちょいよ!さあいけ警備ロボ!あいつらをボコボコにしろぉ!」

「侵入者、侵入者」

警備ロボはゆっくりとこちらに近づいて来ます。でも、宇宙政府のロボよりもティーさんの方が性能がいいのは知っています。余裕の勝利です。

「しかたないです。ティーさんお願いします」

私はそう言いながらティーさんを見ます。ですがティーさんはどこか申し訳ない雰囲気を醸し出していました。

「?ティーさん」

「アー……それがですね。ちょっとダメです。ワタシにはフレンドリファイア防止機能がついてまして彼に対しての攻撃はできないのでス」

「……そうですか。だったら私がいきます。……ティーさん、次からはその機能消してくださいね」

「……ハイ」

ああ、この返事の仕方はなんだかんだで消すつもりがないな。

危険だからあまりしたくはないけどティーさんがダメなら仕方ない。ティーさんから降り、私は警備ロボットと対峙する事にしました。

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