アナタと私の第1印象
「『──なので、今回の件は深く反省をしています。』」
「スーさんそういう所はですネ、『反省しているので次は何処そこを気をつけていきたいです』って風に書くとより反省しているように思えてグッドですヨ」
「なるほど確かに、流石始末書の天才です」
「一言余計ですヨ」
軽口を叩きながらキーボードを叩く。犯人を捕まえて戻ったら犯人共々身柄を確保され、私達は上司から本部長までの悉くに絞られた。最終的に下されたのは政府内の自室謹慎。始末書、反省文の提出後一定期間の清掃等の政府内の雑用をする様に命じられたのだった。
「それにしてもまさかSS隊に所属して1ヶ月程度でこんな事になるとは」
「そうそうない貴重な経験ですネ」
反省文の内容をある程度書き上げ、私は少し休憩を取ることにした。自分のベッドに寝転がる。
結局ティーとは相部屋のままだ。帰ってすぐ捕まったので移動の暇がなかったのもあるが、私はこれでいいと思い始めている。
「……私も、少しだけアナタを真似しようと思います」
「何をでス?」
「なるべく無駄な殺しはしない事です」
カタカタとなっていたキーボードの音が止まる。ティーはこちらを真っ直ぐにみつめる。
「ただし、少しだけですから、私は少しでも駄目だと思ったら直ぐに切り捨てます」
ティーは一言も喋らずこちらを見ていた。やがて、
「それでも、少しだけでも考えてくれるなら嬉しい限りでス。スーさん、これからもよろしくお願いしまス」
差し出された手を私もしっかりと握り返す。
「パートナー解散の件もこれでなかった事にしましょう」
「もちろン!むしろここから再結成ですヨ!」
プルルルル。部屋に電話の音が響いた。ティーが出る。
「はイ、はイ、わかりましタ、直ぐ行きまス」
「どうしました?」
「トイレが詰まったから直して欲しいそうでス。行きましょうスーさん!」
「再結成最初の仕事がこれですか」
「まあそう言わずニ」
2人は部屋を後にする。まだまだ謹慎は終わりそうもないのだった。




