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自由な星の住人の話
自由の星の住人を役所まで送り届け、また普段の業務についた私達。彼は宇宙船内での事などで暫くはコロニー内での生活を余儀なくされるだろうなと思いながら、私はビスケットをつまんでいた。報告書も一緒だ。
「結局、期待してたよりもいいところじゃなかったですね」
「?アア、自由の星の事ですネ?自由すぎるのも考えものってやつですネ。まあそんなものでス。どこの星も必ずと言っていい位には何か問題を抱えているものですかラ。だからこそ我々がいるんですヨ! 」
ティーさんはキッチンに立ちながらこちらに聞こえるように話す。
「私としてはもう少し仕事が少なくてもいいと思うんですけどね」
私の独り言に反応してくれたティーさんに適当に返事をしながら、次のビスケットに手をつける。が、その手に待ったをかけるロボットが1体。
「スーさん!もうご飯ができるんですからそんなにおやつばっか食べないでくださイ!」
ああ、ビスケット缶が持ってかれてしまった。
「別にいいじゃないですか、ケチ」
私達はまだまだ仕事があるというのに。それくらいの自由はあってもいいと私は抗議を行うのであった。




