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青嵐の剣士と涙娘  作者: 倉根 敬
6/8

剣士様に会えちゃった

私は、自身の身が安全なことを確認したあとティ一スという濃青色コ一トを纏った少年を心配して見た。

目を丸くした。

傷一つ負う事なく、片手に持っていた剣で次々と矢をバッサバッサと斬っている。

全く動きについていけず、原形を留めていない矢の残骸しか目に映らない。




少年一一ティ一スは、一回転したり、受け流したりと止まらない。

やっと、矢は攻撃をしなくなった。

傷一つない、無傷のティ一スは辺りを見渡す。

「何で生きてるんだ!?」

「不死身かよッ!?」

敵の群衆は同様の様子を隠せない。




「まだこれだけ残ってたのか」

ティ一スが立ち上がる。

自分の剣の刃こぼれがないか確認したあと、右拳を出しパッと手を開いた。

手の平から小玉の光が飛び出し円形のモニターが現れる。

ティ一スは画面に先程まで使っていた剣を入れて収納する。

その後、手を突っ込んだ。

取り出した物は、全く見たことのない得たいの知れない物。

剣であることは確かだった。

でも違う、私が知っているのじゃない。



だって、片方の刀身がギザギザしてる一一一一




ティ一スは、ギザギザ剣を大きく振りかぶった。

その時、たちまち周囲の空気の異変に誰もが気づき、釘付けになる。

ギザギザ剣が空気を捲き込み、青く輝いていく。

持ち手から剣先にへと、まるでゲージが溜まっていくように一一一一



完全に溜まる、ティ一スは相手の群集団に向かってたった一振りだけ、剣を振る。

風雷の轟がヒゾの森に響き渡る。

もうすでに、ギザギザ剣の刀身は元の白色へと戻っていた。

何が起きたんだろう?





私は、ただその一つの疑問に襲われる。

特に変わった点はない。

相手にも何か傷を負わせたわけでもなさそう。

向かい側から、高らかな声が聞こえた。

反応して、他の者逹も腹を抱えて、笑う。



「おいおい、剣技が使えなかったのかい?」

「青嵐の剣士様も、この程度かよッ」

ああ一一、これは不味い。この後、集団リンチくるわ。

私は、今のティ一スをどうフォロ一するかを考えていた。

しかし、聞き流してしまった事があったと気づく。





この子があの雷鳴の帳本人一一青嵐の剣士ということを。




「そこから一歩も動かないことを進めるよ」

「は?なんだって?」

「動かない方が得策だと言ってるんだよ」

「アイツ、意味わかんねぇ」

へらへらと笑う相手の群集。

それを涼しい顔で見るティ一ス。

「もういいや。ほら、遊んでやるから来な」

前列の一人が手招きをした。

ティ一スは黙ったまま。



私は、他人事には出来ないと思い、GMコ一ルボタンに人差指が触れようとした。

前列の一人が一歩、前に出たときだ。

「じゃあ、こっちか…………ぐ、ぐぁぁぁああああああああ」


バキバキッ!!!!

ビリビリッ!!!!!!!




二つの音が交差する。

相手の武器も防具も全て粉々に一一一一。

それはまるでボウリングでストライクでも取ったかのよう。

悲鳴や恐怖感が膨れ上がり、入り乱れる。

皆さん、一日遅れですが、メリークリスマス!!

今年も残りわずかです。

相変わらずクリボッチのわたくし、倉根は寂しく過ごしました。

サンタさんからのプレゼントはドンキ一のセ一タ一。

正直、反応に困ります。




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