おい、誰だお前は?
爆音花火が響き渡る一一一一
『〰本日は、デライト2をプレイして頂き誠にありがとうございます〰』
目の前にいきなり等身大サイズのシマリスが現れて言った。
見たところ…………メスだな。
正確には、人なのだ。
だけど、お尻辺りにシマリスのしっぽが生えている。
この空間には、私とシマリスだけのようだ。
辺りには、柱が四本。
灯りは柱と床だけでとても暗い。私は、手元にある空欄のプロフィール表を埋めていく。
プレイヤーネイムをどうしようかと悩んだが仕事上でプレイするのだから本名しか駄目だろうな。
少し残念。
『〰それでは、キャラクタ一をお好みにカスタマイズしてください』
シマリスが指示した。
『〰因みに、シルメアと言います。よろしくね』
どうした?今頃自己紹介か、名前は出会って初めに言うのが鉄則だぞ、小動物。
私は、ぶりっ子風のシルメアとかいうシマリスを冷たい目で見た。
気不味い空気だ。
それをものともしない彼女は、話を続けた。
『〰貴女の冒険がきっと実りあるものとなりますように』
う一一ん、厳しい。あんたに会って今、萎みかけてるかも…………。
設定上のキャラとはいえ、なんか鼻につくな。『それでは、行ってらっしゃい』
なんだろうか。物足りなさを感じるプレイスタートだ。
期待が大きすぎたかな?と私は自己反省も兼ねて考えを改める。
シマリスのシルメアよ。
もう貴様とは、一生会うことはない。
永遠にサヨウナラ~
そうやって、私の体は宙を舞い、アドベンチャーの世界へと入っていく。