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変身怪人・矢野悠斗の場合

真実を知ってしまった変身怪人です

作者: DOG

今回の話はコメディーではありません。なのでジャンルが文学となっています。

 デジレンジャーの保護から解放された俺は、事情を聞く為に司令部に向かっている。今回の作戦を知らされていなかったのを確認する為に。……作戦はどうなったのかって?現場指揮者の怪人が倒された事によって失敗に終わったさ。知ってるか?怪人は心臓の部分にあるコアを破壊されると、全身が砂となって崩れ落ちるんだぜ。怪人になった時に説明を受けていたが、実際に目の前で見ると結構くるな……。


「矢野です。失礼します」


 司令部に着いた俺はノックもせずにドアを開けた。司令部には幹部のダイ=アール様、ルムフィー様、ツサカイ様の3人が揃っていた。ってオイ!3人揃っているとは思っていなかったぞ!もういい、当たって砕けろだ。


「お聞きしたい事があります。今回の作戦で何故、私が外されていたのでしょうか?それに最近は離れた所に配置されているのですが」


 聞いてやったぞ。……後で叱られるかも。でも大事な事だから曖昧なままにしておけない。……ん?返事が無いぞ?


「あの、お答え頂けないでしょ……?」


 何か様子がおかしい?3人ともさっきから身動きしていない?俺は様子を確認する為にダイ=アール様に近付いてみた。


「なっ!?呼吸を、していない……」


 まさか他の2人も!?そう思い確認してみると2人とも呼吸をしていなかった。どうやら幹部の3人は死んでいる様だった。いったい何が起こっているんだ?


「いやー、見られてしまったか。参ったね」


 急に入り口から声が聞こえた。とっさに身構えて誰なのか確認してみると、そこにはドクトルKがいた。今の言葉からするとドクトルKはこの事を知っていたのか?


「ドクトルK。どういう事ですか?今の言葉はまるで貴方はこの事を知っていたかのようでしたが」

「知っていた、というのは少し違うね。……私がやったのだよ。ANLG団を私の物にする為にね」


……え?乗っ取り?いったい何の為に!?


「私はね、究極の怪人を作りたいと常々思っているのだ。故に私の思い通りに動く組織が必要だったのだ。ANLG団を私の物にする為にはその3人が邪魔だった」

「だから、殺したってのか?」

「そうさ。だが姿が消えると怪しまれるからね。だから死体を人形にしてこの部屋に置いておいたのだよ。簡単な受け答えが出来る様にはしていたのだが、もうその必要は無くなったので機能を停止させていたのだが、まさか君に見られるとは」


 そんな……。それじゃ作戦は誰が立てていたんだ?幹部からの指示と言う事で動いていたはずなのに。


「殺してからは作戦も私が立てていたのだよ。怪人とデジレンジャーを戦わせるようにね。殿役として優秀な君を遠ざけたりもしたな。もちろん作戦内容をデジレンジャーに流したりもしていたのだよ」


まさか作戦を立てていた本人が情報を流していたなんて……。


「ところで君は何故ここに居るのかね?怪人どもは洗脳してあるはずだが?」


 ……なんだって?洗脳?俺は自分の意志でここに居るんだぞ。


「……そうだ。思い出した。確か君は私の気まぐれで半端に改造したんだったな。人間であり、怪人でもある半端な存在として。なるほど。能力が低かったので洗脳していなかったな」

「ふざけるな!俺は半端なんかじゃない!」

「ふざけてなどいないよ。……ふむ、半端なモノでも実験には役に立つだろう。喜びたまえ。新しく作った怪人の相手をさせてやろう。一般戦闘員をベースにしてみたのだよ」


 そうドクトルKが言うとドアから1人の怪人らしきモノが入ってきた。ソイツは全身がただれており、かろうじて人の形を保っていた。胸には怪人のコアがむき出しになっている。


「やはり能力者でないと改造手術に体が耐えられないようでな、どうも体が崩れてしまうのだよ。だが私の手に掛かれば見ての通り、人の形を保てるようになるのだ。ただこの怪人を1体作るのに人間を2人使わなければならなくてな。材料が掛かってしまうのが問題だな」

「なんて事をするんだ!人は、実験道具なんかじゃない!」


 あまりの事に俺はドクトルKに怒りをぶつける。コイツは人を人と思っていない。自分以外の人間はただの道具としか思ってない。そんな奴だ!


「ヤ……ノ。コロ……シ……テ……クレ」

「おや?まだ意思があるのかね?これは興味深い」


 今の声は……。そんな、まさか!?


「まさか、新藤……なのか?」

「セ……ンパ……イ。クルシ……イ」

「雨宮君?そんな!?」

「シンドウ?アマミヤ?……おぉ、使った材料の名前がそうだったな。ん?知り合いかね?」


 そんな!2人がこんな事に!?


「では、知り合いの手に掛かって死ぬがいい。やれ!」


 ドクトルKが命令すると、新藤と雨宮君から作られた実験怪人が襲い掛かってきた!しかしその動きは緩慢な為、簡単に躱す事が出来た。


――ズドォン!


実験怪人が振り下ろした腕が床に当たると、まるで爆撃を受けたかのように砕けた。何だよ、あの一撃は!


「ふむ、動きが鈍いな。元々の体格が違うのがいけないのだろうか?ならば次は……」


 ドクトルKが何か言っているが今の俺には気にしている余裕が無い。実験怪人の動きは確かに緩慢なのだが、その攻撃力は高い。怪人状態なら耐えられるかもしれないが、生憎と今は人間状態である。その為か大きく躱す事が多くなり、体力を消耗していく一方だ。


「どうしたのかね?助かりたければコアを破壊すればいいぞ?どうせ材料となった人間はもう助からないのだ。心配せずにトドメを刺せばいい」


 それしか方法は無いのか?……すまない、2人とも。


「うおぉぉぉ!」


 俺は実験怪人の懐に飛び込み、思いっきりコアを殴った!コアからピシという音が聞こえた。コアを見てみると小さいながらもヒビが入っていた。1発で砕けないのなら砕けるまで殴るのみ!


「おぉぉぉ!砕けろぉぉ!」


コアを殴る度に実験怪人は仰け反る。その隙を逃さない様に俺はコアを殴り続ける。10発を越えた頃、遂にコアが砕けた。


「オ……オォォォォ……」


 コアの砕けた実験怪人の体が徐々に砂へと変わっていき、そして崩れ落ちていった。……2人とも、本当にすまない。


「知り合いだったのに容赦なく殺すか。君もなかなかに悪党だな」

「ドクトルK……覚悟はいいか?」


 実験怪人が完全に崩れ落ちたのを確認した俺は、ドクトルKを睨みつけた。


「覚悟?それは君だろう。君が実験怪人と戦っている間に怪人を呼んでおいたのだよ。先にも言ったが怪人は私の支配下に居る。ここから無事に出られると思っているのかね?」


 ドクトルKがそう言うと同時に怪人達が現れた。くっ!この位置じゃドクトルKまで届く前に怪人にやられてしまう。どうする?……どうするも無いか。一度態勢を取り直す為に脱出した方が良さそうだ。どうにか今の状況を覆す事が出来ないかと手持ちの物を探ってみる。すると手に当たるものがあった。これは……いける!


「あぁ。無事に脱出させてもらうさ。くらえ!」


 俺は持っていた発煙手榴弾を爆発させて煙幕を張った。そして煙に紛れて俺は出口から脱出をしたのだった。とりあえず今は逃げ切る事が大事だ。




 なんとか逃げ切れた今、俺は廃ビルの中に居る。自宅にはもう帰れないだろうからな。しかしどうする?俺1人では洗脳された怪人を躱して、ドクトルKの元まで無事に辿り着けないだろう。ならば人員を増やすか?いや、誰がいるってんだ。怪人と戦って勝てるような奴なんて……いる。あいつ等なら戦ってくれる。交渉する価値はあるな。デジレンジャー達と。

 ……新藤。雨宮君。もう少しだけ待っていてくれ。ケリを付けたら俺もソコに行くから。


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