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「ねぇ、彼氏どんな人なの?」


恋をする女の子は可愛くなる。

とどこかで聞いたことがあるが、その通りだな。


と澪は恥じらっている姉を見つめながらふと思った。

そんな根拠のない事を…

と聞き流していたけど……


「う…澪…聞きたいの?」


恋する乙女な蒼は頬を赤く染めながらオズオズと


…できれば、『聞かなくてもいい』という返事が欲しいな…


と思いながら聞き返すが、そんな聞き方をされれば

「うん。すっごく聞きたい!」


と返ってくるに決まってる。


「えぇ~……だって、まだ彼氏じゃないし…」

「え?そうなんだ…。じゃあ、片想い?」


意外な蒼の言葉。

その恥ずかしがりようから、彼氏がいるんだと思っていたが

彼氏ではないらしい。


「うーん…。ちゃんと想いは伝えたし、多分付き合えるとは思ってるんだけどね…。どうかな」


蒼はうふふ、とみている人を和ませる様なほほ笑みで

結構、意味深な台詞を言った。


「ふーん。でも蒼ちゃんなら、平気だよ。」

そんな言葉をあまり深くはとらえずに…

というより、あまりそういった事の知識がないので解らないまま

逝った澪の言葉に


「ありがと、澪。」

「で、どんな人なの?格好いい?」


「えぇ~!やっと話題逸らせたと思ったのに!」

「ほら、言わないと片づけが終わらないよー」


「澪は、会わないうちに意地悪に育っちゃったんだね…。解ったよ。言うよー!」


はぁ、半ばあきらめたようなため息を一つついて

蒼は語りだした。


「んっと…そりゃあ、格好良いよ!なんかクールっぽくて、大人な感じかなぁ。うん、背も高くて…」


最初こそしぶしぶといった感じだったのに、話していくうちにノリノリになって蒼は

話し続ける。


そして最後は

「年下なんだけどね。」

としめた。



「年下なんだー。いくつ?」

自分で聞きたい聞きたいといっていた澪だったが、だんだんノリノリになっていく姉の

惚気ている以外の何物でもない様なデレデレぶりに飽きてきて

結局、最後の『年下』しか聞いていなかった。


「…確か、澪とおんなじ学年だったはずだよ?男子校なんだって!」


「蒼ちゃん、本当にその人の事、好きなんだね。」


そのデレデレぶりはダルイな、と思う反面、いいなと澪は、憧れも抱いていた。

澪はコレといって恋をしたことがない。


『あの人は格好良いな』だとか『優しいな』だとかそんな想いは抱いたことがあるが

それが恋だったのか?と聞かれれば、どうだろうか。


バレンタインデーとかでチョコをあげたいと思うだろうかと問われれば、

『いいえ』

と答えるだろう。


そんな淡い想いしか抱いたことのない澪にとって、

強い恋心を抱く蒼は新鮮だった。


「うん!大好きよ。」


こう、きっぱりと人を好きだと言える蒼は、憧れだった。



「いいね。蒼ちゃん。」

「そう?…澪も恋したら解るよ。」



恋なんてできるかな。


聞きたい気持ちもあったけど、姉はその答を持ってはいないだろう

と心の奥底にしまって

澪は片づけに精を出し始めた。


その心の片隅には、さきほどの小山からのメールの存在がちらついていた…。















間が空きましたね…。

これからもこんな感じになっちゃうかと思いますが…

よろしくお願いします。

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