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実はこの物語はサイドストーリーでした。
でも、メインストーリーはアレなので……と思ってこっちをメインにしてみました。
そんなわけで、メインの方もうpするので、アレが大丈夫な方は、是非w
あの合コンの日から
一週間が経った。
あの中で、サツキが誰かと付き合い始めたらしい。
なんでかは、知らないが澪にもそのニュースは知らされた。
澪自身は何も変わらず、毎日を過ごしているつもりだった。
が、それではこの物語は続かない。
一週間が経ったこの日、澪の人生は変わったのかもしれない。
普段は絶対に鳴ることのない、『飾り』の域にまで達している澪の携帯に着信があったのだ。
メールの差出人は
小山 隆明(コヤマタカアキ)
そう、あの合コンで出会った男だった。
アドレスを教えたはずはなかったが…
と澪がメールを見ると…そこには
まあ、要訳すれば、『また会いたい。』
というような事が書いてあった。
正直、小山の存在すら忘れかけていた澪に、会う気はサラサラなかった。
面倒くさいので、返信すらせずにベットに放置された携帯が鳴ったのは
深夜といってもいいくらいの時間だった。
ぴりりーん
と携帯が間抜けな音をたて、澪に電話が来たことを伝えた。
いったい何事かと通話ボタンを押した瞬間キィーンと、耳がおかしくなりそうなほどに
高い、母親の興奮したような声が響いた。
『みおぉ!蒼が…蒼が…』
死んだ、と伝えようとしているのか
と、一瞬嫌な事が頭を過ぎったが、次に聞こえてきた母親の言葉は全然違うものだった。
『蒼の病気の対効薬が、やっとできたんですってぇ!それで、明日さっそく手術するから母さんも父さんも蒼が退院するまで、家には帰らないから、よろしくね。』
一方的に伝えたら、ブチッと通話は切れ、そのあとには
無機質なプープーという音だけがした。
正直、澪にはその出来事が嬉しいのか、解らなかった。
確かに、嬉しい。
なんだかんだ言ったって、姉は姉。
それは嬉しい。
けど、姉がまた帰ってきたら…私は…?
また公立大学を受験するのかしら。
それも、それなりに嬉しい。
だけど、それじゃあ、本当に『姉の代わり』ではないか。
嬉しい。でも………
でも………………………?
グルグルと取り留めのない嫌な事ばかりが頭をかすめているうちに
澪はいつのまにか、眠っていた。
ありがとう、ございました。