野営
私はスラトコと共に旅をすることになった。
「スヴィエトロさんはどうしてあの森にいたの?」
〈灰色の壁の内側の街から出て、新しいところに行こうとしていたのだ〉
「へぇ!私もジュルトヴェニクに住んでた。どこに行くの?」
〈さぁな。目指す先にある村や街で少し滞在するだけだ〉
スラトコは普通に歩いていて、私はスライムの身体に戻って弾んで進んでいる。
地図を買っておれば、格好はつくのだが仕方あるまい。
それにしても魔物は姿を現さぬ。
まあ、無駄な戦いはせずに済むので良いが。
「スヴィエトロさんは昔からスライムじゃないんでしょ?前はなんだったの?」
〈そうだな、以前は魔王だったわ〉
「魔王!!人間族をたくさん屠ってきたんだよね」
〈ああ、そうだ〉
「勇者達を恨んでいる?」
〈恨んでおらぬ。永久に我が君臨する世界などあるわけない〉
「そう。腹減った〜」
〈魔物は食せるのか、スラトコちゃんは?〉
「食べれる〜」
私はスラトコの為に兎を狩って、解体したがずさんだ。
兎の肉をスラトコが食べやすいひと口サイズに切っていき、彼女が所持していた串に刺していく。
兎の肉を焼いて、食べていくスラトコだった。
陽が沈んでいき、辺りが暗くなってきた頃に野営をしようと提案した。
「テントとふとんないー?」
〈私はそんな物は要らなかったから、買ってない〉
「えぇー」
批難の声を浴びせるスラトコだった。
〈今日のところは、樹を背もたれにして寝てくれ〉
「うぅ〜ん、寝れるかな」
スラトコはいつの間にか樹にもたれかかり、寝ていた。
眠気に襲われないので、スラトコが起きるまで起きていた。
翌日を迎え、街道に出ることを目的とした。
スラトコは無邪気に魔王だった頃の話題を聞き出そうとした。
面白くもない話題だが、スラトコにとっては面白かったようで、いつまでも元気だ。
街道に出たは良いものの、馬車を見かけない。
そろそろ少女の容姿に変身しとこう。
少女の容姿に変身した。
3時間程経って、ようやく一台の馬車を見かけた。
片手を上げ、振る。
馬車が停まり、御者が声を掛けてきた。
「お嬢さん達どうした?」
「その馬車に乗せてもらうことはできませんか?」
「少し待ってくれ、お嬢さん」
馬車の扉が開き、ベテラン冒険者らしき禿頭の男性が顔を出し、乗るように促してきた。
「お嬢さん達、乗んな!」
私とスラトコは馬車に乗った。
スラトコが馬車の扉を閉めた。
馬車が動き出し、進んだ。
「お嬢さん達は何処に行こうってんだ?」
「決めてなくて」
禿頭の男性に返答した私だった。




