仲間?
私はスリに遭遇した翌日に冒険者ギルドへ赴いた。
冒険者達がたむろしておらず静かだった。
受付カウンターに歩み寄って、冒険者証を提示した。
「おはようございます。スヴィエトロさん……オトメナという女性から盗人から鞄を取り返して貰った謝礼があります。こちらが銀貨30枚です」
「オトメナさんか……」
銀貨が載ったトレーを出された。
銀貨を麻袋に入れる。
冒険者証を返してもらい、依頼書が張り出されているボードに移動した。
私が受けられる依頼でめぼしいものはなかった。
冒険者ギルドを後にして、街に入った穴とは反対の穴から街を出よう。
グロブスに挨拶をせずとも良いだろ。
いちいち気にする男ではないだろ。
3時間程歩いて、入国した穴とは反対にある穴に到着した。
「出国だな。身分証などあるかな?」
鎧を着て甲冑を被って顔が見えない兵士に促され、冒険者証を提示した。
危険な物を所持していないかの身体検査までされた。
「スヴィエトロさんね……はい、通って良いよ」
兵士の死角になる場所まで行き、長剣を消化せずに飲み込み、スライムの身体に戻る。
スライムの身体に戻って、弾んで進んでいく。
4時間程経った頃に、森に入って進んでいると叫び声が聞こえた。
「きゃー!!たぁ……誰かぁ……助け、てぇ」
スピードを早めて、叫び声が聞こえた方向に弾んでいく。
7体のゴブリンが視界に入って、弾んだまま唾酸弾を吐いた。
5体のゴブリンの背中に唾酸弾が直撃して倒れた。
残りの2体には少女の姿に変身して、真上から長剣を振り下ろし斬った。真っ二つになった。
残った一体は普通に斜めに斬った。
7体のゴブリンを倒した。
「大丈夫かい?キミ……」
頭を両手で抱えて身体を丸める少女に、優しく声を掛けた。
「え……あぁ、はい。ありがとうございます!」
「怪我は……」
「4箇所です」
私は、自身で生成した回復薬の入った瓶を少女に渡した。
少女が怪我をした箇所に回復薬を流す。
「回復薬までありがとうございます!お姉さんの名前はなんですか?」
「スヴィエトロだよ。キミはなんていうんだい?」
「私はスラトコです。かっこよかったです!スヴィエトロさんについていきたいです!!」
「親に言わないと駄目だよ」
「放任してますから良いんです!ついていきたいです」
「そうか。良いけど、驚かないで秘密にしてくれる?」
「えっ。それってどういうこと……うわぁっ、すぅスライム!?」
私がスライムの身体になり、彼女に晒した。
〈これでもまだついていきたいというか?〉
「えっ、なになにこの声!?脳に直接響くのは?」
〈念話だ。それでどうだ?これでもまだ変わらぬか〉
「はい。スライムでもついていきたいです」
「わかった。スラトコちゃんを守るよ」
少女の姿に変身して、返答した私だった。
私は、スラトコと旅をする羽目になった。




