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殺戮令嬢リア・エルスワーズの華麗なる侵略史  作者: 結城 からく


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第59話 伯爵軍の掃討

 私は束ねた鎖を伸ばしながら振り回す。

 先端に繋げた精霊刀が躍り、軌道上のグールを解体していく。

 手から鎖、さらには刃の先端まで、しっかり魔力が通っているのを感じる。

 扱いがやや難しく、狙った部分に当てられない時があるものの、慣れれば改善されるはずだ。

 この武器を手足のように操れるようになれば、私の実力は跳ね上がるだろう。


(最大射程も長いし、やっぱり便利だな)


 私が鎖付き精霊刀の具合を確かめる一方、ノルフは少し離れた場所でグールを処理していた。

 特殊な能力はなく、純粋な剣技のみで圧倒している。

 地味だが堅実な戦い方だ。

 私にとっては飽きるほど目にした太刀筋だが、未だに再現はできない。

 技量という一点においては、未だに足元にも及ばないだろう。


(負けていられないな)


 ノルフの奮闘を見ているうちに、ふつふつと対抗心が湧いてくる。

 技術では敵わないが、私には他にも強みがある。

 総合力でノルフに劣るとは決して思わない。

 私は身体強化の出力を上げて、押し寄せるグールをどんどん切り刻んでいく。


 そうして最前線で戦っていると、後続の伯爵兵が順に転移してきた。

 彼らはグールを見て驚いていたが、伯爵の指示を受けてすぐさま防御重視の陣形で対応する。

 そのまま大盾で攻撃を防ぎつつ、槍でグールを刺し殺していった。


 たまに突破されそうになった時は、同行するシェリーの水魔術がグールを包んで押し流していた。

 シェリーは兵士達に被害が出ないよう援護に徹しているようだ。

 私と目が合うと、彼女はとびきりの笑顔で手を振ってきた。


(向こうは任せて大丈夫そうだな)


 二週間の特訓により、シェリーの立ち回りが抜群に良くなっている。

 今までのように感情任せの攻撃は控えて、最低限の力で最大の効果を発揮できるように意識していた。

 作戦前はやる気満々で、単独で突っ込んでいきそうな勢いだったが、いざ戦いが始まると冷静さを保てている。

 自分の手柄を優先せず、全体のために動いている姿勢は素直に評価できる。

 成長したのは技術面だけではなかったらしい。

 戦いが終わったらシェリーを褒めてやろう。


 少し遅れて盗賊が操る竜の部隊も転移してきた。

 飛び上がった竜は、ブレスで容赦なくグールを焼き払っていく。

 対空攻撃を持たないグール達は為す術もなく消し炭となっていった。


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