↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺戮令嬢リア・エルスワーズの華麗なる侵略史  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/96

第49話 強襲に近い急行

 その日からさっそくイメ村の復興が始まった。

 同時に村人による竜の飼育補助も行われる。

 今のところ特に問題はなさそうだった。

 時間をかかるだろうが、いずれ村は元通りになるだろう。

 いや、竜の牧場もあるのだから、以前よりも裕福になるかもしれない。

 飼育時に剥がれ落ちた鱗を売れば、かなりの高額になると発覚したのである。

 村と牧場で折半しても十分な稼ぎになるらしい。


(とりあえず上手くいきそうだな)


 途中経過に満足していると、ノルフが手紙を持ってきた。

 差出人の部分にはアルゥデグ伯爵と書いてある。


「誰だこいつ」


「イメ村の所有者であり、牧場を売りに出していた張本人ですね」


「伯爵ってことは貴族だな。良い奴なのか?」


「ええ、おそらく。少なくとも悪政を働いたという記録はございません。秘密裏に行っている場合は分かりませんが」


「なるほど……」


 手紙を読むと、私を屋敷に招待するという内容だった。

 牧場を買い取り、イメ村を改善してくれた礼をしたいのだという。

 私は手紙を読みながら眉間に皺を寄せる。


「なんか怪しいな。私を陥れるための罠か?」


「アルゥデグ伯爵がそのようなことをするとは思えませんが、別の意図はあるでしょうな」


「たとえば?」


「リアさんの人柄を見定めたいのかもしれません」


「別に私は普通だろ。何を見定めるんだ」


「……そこは意見を控えさせていただきます」


 言葉に詰まったノルフが顔を背ける。

 すると、近くで話を聞いていたシェリーが飛んできた。

 シェリーは目を見開いて力強く主張する。


「お姉様は完全無欠の素晴らしい貴族ですわ! 見定める必要などありません!」


「じゃあ伯爵の誘いを断るべきか?」


「いいえ! こうなったらお姉様の威光を知らしめなければなりません! すぐにアルゥデグ伯爵の屋敷へ向かいましょうッ!」


 急かすシェリーに半ば連行される形で、私とノルフは竜に乗せられた。

 竜はそのまま飛び立ち、猛速で伯爵の屋敷の方角へと突き進む。

 操縦するのはシェリーだ。

 飼育の過程で操り方を学んだらしく、一切の無駄なく竜に指示を出している。


 振り落とされないように掴まりつつ、私はノルフに尋ねる。


「手紙を出さずに直行するって大丈夫なのか?」


「無礼……で済めばいいでしょうな。戦争を仕掛けたと勘違いされても文句は言えません」


「だよなぁ……」


 それから半日とかからずに、私達は伯爵の屋敷に到着した。

 案の定、竜の到来で大騒ぎになったが、ノルフがなんとか場を収めてくれた。

 彼の状況説明が少しでも遅ければ、殺し合いになっていたと思う。

 私が言うのもおかしいが、シェリーにはもっと平和的な行動を心がけてほしいものである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。