幕間
なぜ、戦争は起こるのであろうか。
それは有史以来の人類の命題であろう。
もちろんそれを補完する言葉がないわけでは、無い。
吟遊詩人に言わせれば、正義と女が織りなすハッピーエンド、アンハッピーエンドの英雄譚である。
政治家に言わせれば、自国の存続に必要たる最古最低限の条件であり、行為である。
勝利国に言わせれば、自国の正義の勝利であり、
敗戦国に言わせれば、戦争とは悪であるとなる。
そして、それらを記す歴史家は、それこそペンをもつほどの高みから「サルから変わらぬ愚かな生物」と評すのである。
しかして、有史以来〈戦争〉により禊を行い先へ進んで来た我らには、ひょっとしてほかに解決策というものをもたないのではないか。どうだろう?短絡的かつ好戦的な思考だろうか?
休題してしまった、視点を別に移そう。戦争の目的を資源に変えた場合だ。たぶんこっちのほうがもっと現実的だろう。なにせ、この世で現在進行形の戦争なのだから。
誰とて飢えた他人のために自分のはらわたを抉り出して遣る奴はいない。この世の常道である。
捨身品などあり得ない。ましてや、政治がからめば。
そしてそれは―この星とて同じなのであった。