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【完結】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十四章

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決戦、暗黒竜6

「よしっ! 効いてる!」


 あれほど攻撃が効かなかったことが嘘のように、圭の攻撃は暗黒竜の足を深々と切り裂いた。

 四本とはいっても、巨大な体を支えるのに一本一本の負担は大きい。


 足の後ろを深く切り裂かれた暗黒竜は、一瞬体がガクンと傾く。

 黒いオーラが戻ってしまったので次の攻撃はできななったものの、効果があることは確認できた。


「エクリス、大丈夫か!」


 次はもう一本の前足を狙いたい。

 けれどもそれにはエクリスの助けがいる。


 暗黒竜から離れながら、圭は尻尾に弾き飛ばされたエクリスの状態を確認する。

 頭から血を流すエクリスはもうすでに立ち上がっていた。


「もういい」


「でも……今は少しでも時間が惜しい。私を治してる間に、あいつも治る」


 薫が治療しているのを押し退けて、エクリスは剣を構える。

 無茶な一撃の代償は意外と重い。


 けれども怪我を治している間、暗黒竜も恐るべき再生力で怪我を治していく。

 立ち止まってはいられない。


 たとえ多少体が傷んでもエクリスは戦うつもりだった。


「犠牲になった人たちは帰らない……だけど私のこの刃が彼らにとっての手向けになる。復讐があいつの闇を打ち払う!」


 エクリスは走り出す。

 ズキリと体のどこかが痛むけれど、歯を食いしばって駆ける。


「らあっ!」


「やはり狙いはエクリスなんだねぇ」


 暗黒竜が火球を自分の周りに生み出してエクリスに向かって放つ。

 カレンが盾を構えて火球を防ぎ、エクリスを守る。


 夜滝やダンテも火球を撃退する。


「お前のせいで!」


 エクリスは火球をギリギリでかわして暗黒竜の前に飛び出す。

 ゲートの中とは違って長く伸びた髪の毛の先が焼かれてもエクリスは気にしない。


「どれだけのふぐっ!」


 エクリスの剣の先が暗黒竜に届いた。

 けれども暗黒竜はわずかなダメージを無視するようにエクリスに反撃する。


 暗黒竜が受けるダメージに対して、エクリスが受けるダメージはあまりにも大きすぎる。

 ダンテがエクリスの服を掴んで、暗黒竜の追撃から助け出す。


「けふっ……」


「無茶しすぎですよ!」


 圭とフィーネが攻撃を狙い、薫はエクリスの治療を始める。

 口から血を流すエクリスは危険な状態でも揺らがない目をしている。


「やらなきゃならない……」


「待ってください! まだ治療は……!」


「私は、勇者だから……」


 怪我が重たければ重たいほどに治療にも時間がかかる。

 わずかな時間では少し痛みが軽くなった程度にしか効果がない。


 しかしエクリスは暗黒竜の黒い魔力が復活したのを見て、また立ち上がる。

 一歩、また一歩と足を踏み出し、エクリスは加速していく。


「少しでも……!」


 薫はエクリスに魔力を向ける。

 治療をしながら体の強化支援をする。


 離れるほどに治療の効果は落ちるし、動けば怪我は悪化する。

 ただ離れていても治療そのものは可能である。


 エクリスの大怪我を治すのは動きながらでは無理ではあるが。


「私は! 勇者だ!」


 どんなに苦しくても足を前に出す。

 聖剣が重たく感じられるけれど、握った手は離さない。


「お前を倒す……それが私の使命であり、失われた人のための復讐だ!」


「はぁっ!」


 エクリスが飛び上がる。

 波瑠はとっさに暗黒竜の顔の前に飛び出て翼を広げる。


 視界が波瑠の翼に奪われて、暗黒竜はエクリスの姿を見失う。


「ほっ!」


 波瑠が翼を広げていた時間は長くない。

 それでも十分だった。


 波瑠が翼を羽ばたかせて飛び上がった後、暗黒竜が見たのは剣を掲げて飛びかかってくる血まみれのエクリスの姿だった。


「くらえっ!」


 エクリスは剣を振り下ろす。

 白い魔力が黒い魔力を突き破り、暗黒竜の目に深々と剣が突き刺さる。


 激痛に暗黒竜が咆哮する。

 黒い魔力が霧散して、頭を激しくするもののエクリスは必死の形相で剣を突き刺し続けた。


「フィーネやる!」


 フィーネが暗黒竜の足元に潜り込む。

 そして狙ったのは前足。


 圭が攻撃して二本の前足の後ろはズタズタになっている。

 そこをさらに大きな鎌で斬り裂く。


「暗黒竜が倒れた!」


 足二本がやられて体を支えきれなくなった。

 暗黒竜が膝を屈して地面に倒れ込む。


「首を押さえてくれ!」


 圭には狙いたいところがあった。

 前の戦いでも狙った、暗黒竜の喉元の逆鱗である。


「オッケー! 大地の力!」


「氷も追加だ!」


 カレンがスキルを発動させて地面をせり上がらせる。

 石柱のような形で迫り上がった二本の柱は先端をクロスさせるようにして暗黒竜の首を押さえる。


 さらには夜滝も魔法で暗黒竜の首を地面に凍り付かせる。


「頭を上げるな!」


 それでも暗黒竜は抵抗を見せた。

 飛び上がったダンテが上から剣を振り下ろして、暗黒竜の頭を押さえつけるように攻撃する。


「これで終わりだ!」


 真実の目で見ると、逆鱗が光って見える。

 やはり、そこを攻撃しろと言われているかのようだ。


 圭は剣に魔力を集中させる。


「くらえぇぇぇぇっ!」


 喉元にある唯一反対に生えたウロコに向かって、圭は全力で剣を振り下ろす。

 硬い手ごたえ。


 しかし前のように無惨に弾かれることはなく、圭の一撃は暗黒竜の逆鱗を真っ二つに叩き割り、喉を深く切り裂いた。

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