表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

847/855

決戦、暗黒竜4

「各地を転々として、クソトカゲをたおすを蓄えていた。そこで世界は……他の世界によるゲームの舞台になる。手が回らなくなって、クソトカゲにまで被害が及ぶようになると、私とクソトカゲは手を組んだ」


 世界が危機に瀕しているのに勇者だ魔王だと争ってはいられない。

 無事な世界あっての勇者だし、魔王なのだ。


 だからエクリスは暗黒竜と手を組んで異世界の前略に抵抗した。


「だけど……」


 エクリスはそっと胸に手をやった。


「あいつは裏切った」


 胸を後ろから貫かれた時の感覚をエクリスは忘れられない。

 血が流れ、体の熱さが抜けて、自分の生命が失われていく。


 もう二度と経験したくないものだ。


「あの広場で光を浴びて……女神の声が聞こえた。私に力を与えてくれたこの世界の神様の声。全ての記憶を思い出させて、この世界をあるべき姿に修正するためにあなたに力を貸せと、そしてあのクソトカゲを倒せと言われた」


 この世界における勇者は女神の眷属と言われている。

 女神によって力を与えられていることになっているのだ。


 圭に直接声を届けることはないけれども、どちらかといえば世界を奪われてゲームを恨む、圭側の神様のようである。


「……私の話よりも、あなたの話を聞かせてくれ」


 エクリスは膝を抱えて圭のことを見る。


「私の話はつまらない。戦ってばかりで、楽しいことなんてなかったから」


「……俺の世界はこことはだいぶ違うんだ。魔法の世界ではなく、科学ってものが発展しててな……」


 別に涙を流しているわけでもないのだけど、エクリスがひどく悲しそうで、泣いてしまいそうに見えた。

 だから圭は自分の世界について軽く話してやることにした。


 今は何かの記録用にも使えて、ゲートにも持ち込める丈夫なスマホもある。

 外と通信できるわけではないが、中に入っている動画や写真ぐらいは見せられる。


 前にメルシリアたちを外に連れ出した動画なんかも見せながら、夜の見張りを交代するまで外のことを教えたのだった。


 ーーーーー


「感じる……あのクソトカゲが近い」


 山を登っていくと、やや気温が下がって肌寒さも感じる。

 寒いとまではいかないが、気温の変化が戦いへの緊張感をより高める。


「よう……久しぶりだな」


 山のてっぺんは切り取られたように平らになっている。

 まるでここで戦えと言っているかのようだ。


 暗黒竜を見て、エクリスはグッと拳を握りしめる。


「何回目だろうな。お前とこうして戦うのも、ありすぎて思い出せないよ。この卑怯者。異世界の侵略者にも劣る外道が……!」


 エクリスは剣を抜く。

 怒りの炎が燃える目で暗黒竜を睨みつける。


 エクリスの体が淡く光る白い魔力に包まれる。

 対して大きく吠えた暗黒竜の体が黒い魔力に包まれた。


「ムラサメ! 力を貸してくれ! 私はここであいつを討ち果たす! アイツによって奪われた世界を取り戻し、アイツによって奪われた命の贖罪を果たす!」


「みんな、俺たちもいくぞ!」


 エクリスが暗黒竜に向かって走り出し、圭たちも続く。


「大地の力!」


 暗黒竜がブレスを放ち、カレンが地面を迫り上がらせて防ぐ。


「チッ……!」


「じゃあ私も行くよぅ」


 しかしブレスの勢いが強くて、壁が壊れる。

 予想していたように夜滝が氷を放ってブレスにぶち当てる。


 氷とブレスがぶつかって爆発が起き、白い水蒸気の煙が一気に広がった。

 圭たちは水蒸気に突っ込んでいく。


 暗黒竜は上から水蒸気を見下ろし、わずかな揺らぎを見つけた。

 そこに敵がいるのだと前足を振り下ろす。


「ピピピピ……」


 振り下ろされた前足の下にいたのはフィーネ。

 両手を変形させて、まるで機械のケモノのような大きな形にしていた。


 両手で暗黒竜の前足を受け止め、そのままがっしりと掴む。

 爪を食い込ませて逃すまいとする。


「悪神の力……それが邪魔をしているんだろ!」


 水蒸気からエクリスが飛び出す。

 白い魔力を込めた聖剣を振るい、暗黒竜を斬りつける。


「はああああっ!」


 フィーネに押さえられて、暗黒竜は動けない。

 聖剣が暗黒竜にまとわれた黒い魔力とぶつかる。


「私が受けた傷はそんなものではないぞ!」


 黒い魔力が吹き飛ぶ。

 そして再び動き出した聖剣が暗黒竜の胸を切り裂いた。


「ダンテ、今だ!」


「フッ!」


 今なら攻撃が通じるかもしれない。

 ダンテが横から回り込んで暗黒竜を攻撃する。


 黒い魔力の斬撃が飛んでいく。

 暗黒竜の魔力は淀んだような色をしているが、ダンテの魔力はやや赤みを帯びて黒曜石のような煌めきを持った魔力をしている。


「効いてる……!」


 ダンテの斬撃が当たって暗黒竜の体が弾かれる。

 暗黒竜の鱗が砕けて、目には攻撃のダメージによる怒りが浮かんでいた。


「あっ!?」


 続いて波瑠が攻撃しようとした。

 空から後ろに回り込み、ナイフを突き出したのだけど、暗黒竜の黒い魔力が戻ってナイフが弾かれてしまう。


「……なかなか面倒そうだねぇ」


 何回か攻防を繰り返してみて分かったのは、エクリスの攻撃によって黒い魔力が剥がれた時にのみ圭たちの攻撃が通じるということである。

 ただ黒い魔力が戻ってくるのは意外と早い。

 

 つまりどうにかエクリスに攻撃してもらって攻撃する隙を作ってもらわねばならないのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ