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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十四章

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決戦、暗黒竜3

「この世界……いや、世界は滅びたのだからこのゲームというべきか。このゲームは不思議だな」


 城内を歩きながら独り言のようにエクリスはつぶやいた。


「私は気づいたら村の近くにいたんだ。全てを思い出し、君たちと別れた後でな」


「俺たちはあの時どうなったんだ?」


「急に消えてしまったよ。その後すぐに私も失った。聖剣一本だけ持たされて、仲間もなく……近くの村に行くとレッドスキンオーガに襲われていたんだ」


 圭たちがゲートを追い出された後、エクリスにも異変が起きていた。

 町にいたはずなのに気づいたら森の中にいた。


 あまりに平凡な森で、見知った場所とも見知らぬ場所とも言えないところだった。

 圭たちどころか、エクリスの勇者仲間すらいなかったが、代わりに聖剣だけは手に持っていたのである。

 

 少し歩き回ってみると村を見つけたのだが、レッドスキンオーガに襲われていた。


「厳しい相手だったけど……記憶が戻って一度最後まで戦った経験が私の中にはあるから」


 レッドスキンオーガ一体だけならともかく複数体いると厳しい。

 しかしエクリスの中には一度生きた記憶が戻っていた。


 戦いの経験はエクリスを助けてくれた。

 顔に傷をつけながらも何とかレッドスキンオーガを倒すことができたのだ。


「……適当に座って。あなたはここ」


 案内された部屋は会議室のように机と椅子が並んでいた。

 適当にと言ったのに、圭はエクリスに腕を掴まれて斜めの位置に座らされた。


「それから……王城に向かったわ。あなたたちが来るかもしれないと伝言を残してね」


「王城で待っているというのは聞いたよ」


「よかった」


 エクリスは微笑みを浮かべる。

 ボーイッシュな美少女といった感じだったのに、何となく色気のある少し影を感じる女性になっている。


「ここでは何が? 戦いがあったようだけど」


「あなたたちとクソトカゲを撃退したでしょ? あれと同じがことがまた起きたの」


 エクリスはやや眉をひそめて遠くを見るような目をした。


「王城に着いて、クソトカゲに襲われる前だと私は察した。何が起こるか分かっていたから対策は簡単だったわね。反旗を翻す宰相の首を取り、クソトカゲの襲撃に備えた」


 本来ならばエクリスは暗黒竜派に捕まる。

 これはエクリスが弱かったというよりも、同じ人を倒すことができなくて捕まるしかなかったという感じだった。


 今回エクリスに慈悲はない。

 反旗を翻される前に暗黒竜派のトップだった宰相を倒して、計画を潰した。


 さらには暗黒竜の襲撃を予想して、防衛の準備を整えた。


「あのクソトカゲは予想通りに来たわ。倒せればよかったのだけど……残念ながらそこまではいかなかった」


 エクリスは軽くため息をつく。

 目には怒りが滲んでいる。


 よほど暗黒竜のことが嫌いらしい。

 何度も吐き捨てるようにクソトカゲと言っているのだから、圭も苦笑いするしかない。


「正直一人でも倒しに行こうと思ったけれど……あなたなら来てると思ったの。だから町の復興を手伝いながら待っていたわ」


「なるほどな」


 塔の中の世界については、外に出てくるゲートと違ってストーリー的なものが展開されることもある。

 そうしたストーリーをうまくクリアすると、世界の様子が変わる。


 基本的には円満的な終わりを迎える。

 世界がこう終わったという終わり方よりも、世界がこうであって欲しかったという終わり方のようであると圭は思っていた。


 勇者が間に合って、都合良くうまくいって、多少の被害は出ながらも色々と救って、暗黒竜を追い詰めていく。

 これが世界の望んだストーリーなのではないかと思われたのだ。


「まあクソトカゲもそう簡単には動けないはず。尻尾をぶった斬ってあげたから」


 エクリスはニヤリと笑った。

 もうなんだか少し歪んじゃっている気がしてならないけれど、ともかく暗黒竜を倒すということに関して前向きなのはありがたい話である。


「私の準備はできている。あのクソトカゲを倒しに行こう」


 エクリスはかなりの熱意を持っている。

 単独で戦って尻尾まで切ったというのだから、戦力としてもだいぶ期待できそう。


 エクリスと圭たちの目的は合致している。

 暗黒竜を倒すことに何の異論もなく、圭たちは聖剣を持つ勇者エクリスを加えて暗黒竜のところに向かうのであった。


 ーーーーー


「なあ……」


「なぁに?」


「本来ならあの町でどうなる予定だったんだ?」


 移動して、暗黒竜がいる山の麓までやってきた。

 十八階には昼夜もあって、日が落ちたので道端で野営する。


 エクリスや町の人だけでなく、モンスターも復活しているので焚き火を焚いて夜はしっかりと警戒せねばならない。

 たまたま圭とエクリスが火の番を担当していた。


 会話もなく、静かだったのでふと気になったことを聞いてみた。


「本当は……ロンデルシアが命をかけて助け出してくれるはずだった。秘密の通路とやらを使って何とか」


「ただ町はひどい有様になるんだろ?」


「私たちはそのまま町を抜け出して、その後暗黒竜に襲われる。抵抗もほとんどできないままに町は滅ぶんだ。暗黒竜なんかに味方しようとした……自業自得」


 エクリスは焚き火の炎を見つめながら答える。

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