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【完結】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十四章

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暗黒竜撃退戦5

「ふっ!」


 カレンはレッドスキンオーガの攻撃を受け止める。

 下手に受け流したりすれば周りの建物に被害があるかもしれない。


 カレンなりの配慮であった。

 

「フィーネスラッシュ!」


 フィーネが大鎌を振り回す。

 レッドスキンオーガの太い腕が斬り飛ばされて、重たい音を立てて地面に落ちる。


「いい加減、お前らと戦うのも飽きたな」


 痛みに怯んだレッドスキンオーガの頭をダンテが吹き飛ばす。

 胸近くまで無くなったレッドスキンオーガは、そのままゆっくりと後ろに倒れて動かなくなる。


「誰か助けて!」


「どうしましたか?」


 モンスターに襲われているわけでもないのに、立ち尽くしている人がいた。

 今は圭たちが周りのモンスターを倒したので安全だが、いつまたモンスターが出てくるか分からない。


 他の一般市民はお城に避難していっている。

 脅威がないうちに逃げてもらいたいものだと圭は考えていた。


「子供が……中に……」


「ここにですか?」


 目の前には燃えている家がある。

 女性は泣きそうな顔をして家を呆然と見ていた。


「外にいて……慌てて帰ってきたら…………」


「……助けよう」


 子供を置いて家を出たわけでなく、外出していて子供を連れて逃げようと家に帰ってきたらこの有様だったようだ。

 一度飛び込もうとしたのか、女性は腕を火傷している。


「ふむ、任せておくれ。みんな、下がってて」


 ここは夜滝が前に出る。


「はっ!」


 杖を前に出して魔法を発動させる。

 燃える家の熱のせいで顔が熱く感じていた。


 夜滝が魔法を使った直後から、顔に感じる熱が小さくなっていく。

 赤々と燃えていた炎の勢いが目に見えて減じていく。


「なんていうこと……」


 気づけば炎は消えていた。

 それどころか外側の壁にもうっすらと氷が広がり、なぜ炎が消えたのかを見せつけているようだった。


「ひとまず消化はしたよぅ」


「じゃあ……」


「それでも建物なんかは崩れるかもしれないから……」


「俺が行ってきます」


 女性は建物に飛び込んでいきそうだが、夜滝がしたのはあくまでも消火である。

 建物は火事によって弱っている可能性がある。


 崩れてしまうことも考えて、もしもに対応できる圭が中に入る。


「変な感じだな……」


 中は熱さと寒さが入り混じっている。

 焦げた床がところどころ凍りついているものの、部屋の上の方はまだ熱い空気が残っていた。


 下は寒いのに上は熱い。

 火事だったせいか空気は煙たい。


 あまり長居すべきじゃないと圭は感じた。


「おーい! 誰かいるか!」


 部屋を見てまわりながら声をかける。

 本当に子供がいるのか、あるいはいても無事なのかも分からない。


「助けて……」


「上か!」


 反応がなくて不安に思い始めていたら小さく声が聞こえてきた。

 声は上の階から聞こえてきた。


 圭は慌てて上の階に向かう。


「おい! どこにいる!」


「こっち……」


「あれか!」


 部屋の隅に木箱のようなものが置いてある。

 その中から声が聞こえていた。


「待ってろ! 今出してやるからな!」


 天井が崩れて箱の上に乗ってしまっている。

 圭は箱の上から焼けこげた天井の木材をどける。


「よいしょ……大丈夫か!」


「あっ……」


 箱を開けてみると小学生ぐらいの年頃の女の子が、膝を抱えて座っていた。

 頬には涙の跡が見える。


「もう大丈夫だ。ほら、外でお母さんが待ってる」


 圭は女の子を抱きかかえて箱から出してやる。

 女の子はそのまま圭の首に手を回し、抱っこする形で家から脱出した。


「おっと?」


 外に出てみると、デカいウルフの死体が転がっていた。

 家に入る時にはなかったはずのものである。


「ああ、無事でよかった!」


 圭が女の子を下ろしてやると、女性が女の子のことを抱きしめる。


「なかなかひどいな」


 まだマシだとは思うけれど、それは完全に人がいなくなった町を見たからそう思うのだ。

 改めて町の光景を見るとマシだと思うだけであり、状態としては酷いものだった。


「……早く暗黒竜を倒さなきゃな」


 圭たちは親子をお城に送り届けがてら道中のモンスターを倒す。


「ロンデルシア、状況はどうだ?」


 そのままお城に一度立ち寄り、町の状況を確認する。

 塔の中では半壊してしまっていたお城だが、今はまだ無事である。


 圭たちが早めに勇者エクリスを助け出したから、お城の状態は大きく変わったのかもしれない。


「町の人の多くが城に避難してきました。モンスターもだいぶ減ってきているようです。ただ……勇者様は戦っておられます」


 時々大きな音が聞こえていた。

 それはエクリスたちと暗黒竜が戦う音であった。


「モンスターの方は順に倒すだけとなっております。どうか勇者様の方を助けてくださいませんか?」


「分かった。エクリスの方に向かうことにするよ」


 一般市民の避難が進み、モンスターの数が減ると兵力の方が上回って余裕が大きくなっていく。

 現状少し余裕ができた。


 これからできた余裕でモンスターを倒していけばさらに余裕が大きくなって、最終的には暗黒竜だけが残ることになる。

 余裕ができる前に暗黒竜を倒せればさらに安泰となる。


 モンスターの方に倒せる目処が立ったということで、圭たちは暗黒竜の方に向かうことにした。

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