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【完結】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十四章

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暗黒竜撃退戦3

「武器がなくとも!」


 デュプロフは圭に拳で襲いかかる。

 闘志は認めるけれど、流石に素手では戦うのも厳しい。


 圭は取り返されないために、槍を自分の後ろに投げ捨てる。


「くっ!」


 圭がわざと大きく振った剣を、武器がないデュプロフは回避するしかない。


「ただ殺しはしないよ」


 回避したデュプロフに大きな隙ができた。

 圭は隙を狙ってデュプロフの顔面に拳を叩き込む。


 それなりに実力者なら、何かのタイミングで味方となった時に使えるかもしれない。

 制圧できそうなので、ここは殺さず生かして制圧する。


「ぐ……う……」


 殴り飛ばされたデュプロフは鉄格子に体を打ちつけて気絶する。


「……想像よりもお強くて驚きました」


 ロンデルシアは感心したような目をしている。

 圭は危なげなくデュプロフを制圧した。


 かなり面倒な相手だと思っていたのに、圭の実力を見誤っていたと内心で反省する。


「きっと……ああ、ありました」


 ロンデルシアはデュプロフの懐を漁る。

 そして内側のポケットから鍵の束を取り出した。


「勇者様はこの奥です。勇者様ー!」


「……おっと」


 勇者を呼ぶロンデルシアの声のトーンが一つ高くなった。

 真実の目によると勇者を追いかけ回していたとあったのだから、単なる興味以上の感情がありそうなことは察していた。


「ロンデルシア? どうして戻って……」


「ああ、勇者様! なんとひどい……」


「あれ?」


「なんか……」


 奥の牢屋に手を拘束されて牢屋に閉じ込められている人がいた。

 ロンデルシアが勇者と呼んだのだから、拘束されている人が勇者なのだろう。


 しかし勇者の声を聞いて、圭たちは少し違和感を覚えた。


「今手錠も外しますね!」


 薄暗い牢屋の中では顔もよく見えない。

 全員で牢屋に入るわけにもいかず、ロンデルシアに任せて圭たちは外で待つ。


「ふぅ……こんなことになるなんてね。まさかここまでするとは思わなかったよ」


「ねぇ、圭君。勇者って……」


「ああ……多分な」


「勇者様ぁ〜!」


「抱きつかないでくれよ。いてて……君たちが僕を助けに来てくれた……異世界の勇者だね?」


 ロンデルシアが勇者の腕に抱きつき、勇者は拘束されていた手首をさすりながら牢屋から出てきた。

 明かりに照らされ勇者の顔がよく見えた。


「勇者って女だったのか」


 なんと、勇者は女性だった。

 聞こえていた声が高いなとは思った。


 勇者は王子様タイプの爽やかな顔をした女性で、女性にモテそうな顔立ちをしている。


「僕はエクリス。助けに来てくれて感謝するよ」


 エクリスと名乗った勇者は爽やかな笑顔を浮かべる。

 どうしてロンデルシアが圭たちに興味がなかったのかも今理解した。


 勇者に気が合って、しかも勇者が女性ということなら圭やウェイロンなど眼中になくてもしょうがない。

 夜滝たちとも女性的なタイプが違う。


 だからそっけなかった。


「状況を教えてくれるかい? それに他の人も出してあげてくれ」


 ーーーーー


 牢屋には王様や勇者派の貴族、それにエクリスの仲間たちもいた。

 宰相を中心とする暗黒竜派は急にエクリスたちに襲いかかり、王様たちを人質にされてしまったために仕方なく牢屋に入ることになったようだ。


「暗黒竜がここに? 揺れてるのはそのせいだったのか」


「早く暗黒竜を撃退せねばなりませんね」


 現在の状況を説明すると、エクリスは焦りの表情を浮かべた。


「勇者様! こちらを!」


「聖剣……! ありがとう、ロンデルシア!」


「いえ、勇者様のためですから!」


 先ほどからロンデルシアの姿が見えないなと思っていた。

 どうやらエクリスの装備を取りに行っていたらしい。


「……異世界の勇者よ。どうか力を貸してくれないか?」


 エクリスは圭に視線を向けた。

 どうやら圭たちは異世界の勇者という扱いらしい。


 そういえば、十八階の試練でもそんなふうに書かれていたな、と圭は思った。


「分かった。俺たちは何をしたらいい?」


「暗黒竜は聖剣を持つ僕たちが戦う。君たちは他のモンスターをお願いできるかい?」


「他のモンスターだな。了解した」


「私たちは王城の混乱を収めます。父が現れればみんなも従うしかないと思います」


 エクリスが暗黒竜と戦い、圭たちは他のモンスター、そしてロンデルシアたちは混乱の収拾に当たることにした。

 地下牢を出て外に向かう。


 その途中にいる人々にロンデルシアや王様が声をかけて統率下に入れていく。


「もうモンスターがこんなところにまで……!」


 城に繋がる吊り橋にモンスターが押し寄せている。

 今は兵士たちが必死に押し留めているが、状況はあまり良くなかった。


「ここは俺たちに任せて、先に行け!」


 おそらく暗黒竜と戦うためには聖剣が必要なのだ。

 モンスターと戦って勇者の体力を消耗させてはならないと、圭たちが前に出て戦い始める。


「なんとも頼もしい援軍だな」


 圭たちの力を見てエクリスは感心してしまう。


「あの先頭の彼……ちょっとカッコいいな」


「ハッ?」


「ロンデルシア……そんなに怖いしないで」


 エクリスは圭のことを見て少しだけ頬を赤らめた。

 さらにその光景を見たロンデルシアはとんでもなく怖い目をする。

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