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【第十二章完結!】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十二章

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女神の騎士たち1

「ご武運をお祈りしております」


「気をつけてくださいね」


 十二階へのエントランスゲートの前にやってきた。

 クロノアたちも見送りに来てくれている。


「行ってくるよ」


 十二階にクロノアたちはいくことができない。

 ディムバーラガンはもちろん、クロノアも協力したいと思っていたのだけど、行けないものは仕方がない。


 クロノアたちに見送られ、圭は十二階のエントランスゲートに入っていく。


「うっ……」


 十二階は聞いていた通りに真っ白な部屋に出た。

 分かっていたけれど、見慣れない真っ白な部屋に目がチカチカとする。


 目の前に三つの扉がある。

 写真で見たよりも部屋は大きく扉は遠くにあるように感じた。


『異なる世界の神殿の騎士を倒して力を証明せよ!

 アルマス

 へカリア

 メルビド


 シークレット

 四人目の本物の忠誠騎士を倒せ』


 おそらく三体の騎士の名前だろう試練の表示が現れた。

 確かにちゃんと異なる世界の神殿の騎士と書いてある。


 わざわざこんなところで嘘をつく必要はない。

 ということは本当に異なる世界なのだろうと思う。


「どう、圭君?」


 波瑠が下から圭のことを覗き込む。


「相変わらずシークレットがあるよ。四人目の本物の忠誠騎士を倒せ、だとさ」


「ということは……どこかに四人目の騎士がいるんだな」


 文言をそのまま正面から受け取ればそうである。

 シークレットクエストの内容があまりひねられてこともないので、そのまま四人目がいるのだと考えても構わないだろう。


 ただ相変わらずシークレットに関してヒントもない。

 どこにその四人目という奴がいるのかは分からない。


『女神があなたを見つめています!』


「……それともう一つ。こっちは嫌な感じだ」


 試練の表示はあくまでも表示である。

 シークレットは表示されるものの、それ以外はみんなにも出ている。


 圭の目にはもう一つ表示が見えていた。

 女神が圭のことを見ている。


 単純に女神とだけ言われても何人か女神の心当たりはある。

 しかし十二階における女神は、名前も知らない平穏の女神という怪しい女神である。


 今のところただ見られているという表示に過ぎない。

 けれど圭と十二階の女神の間には因縁がある。


 本当にただ見ているだけなのか怪しいものだ。


「それでどこから行くのがいいんだ?」


 一応向かう先はそれぞれ違う世界である。

 どこが楽とかあるのだろうかと圭は赤城のことを見る。


「んにゃ、別に差はないな。個人的な戦いやすさはあるかもしれないが、それだけだな」


「じゃあ右から行こうか」


 差がないならどこから行っても同じ。

 十一階へのエントランスゲートを背にして正面と左右にある扉のうち、右にある扉から挑戦してくことにした。


 青銅っぽい扉には槍のような模様が刻んである。

 圭が手を伸ばして触れようとすると扉は一人でに開き始めた。


「また不思議な感じだねぇ」


「本当ですね」


 扉の向こうには異世界が広がっていた。

 通常ならゲートのようになっていて、通り抜けると異なる世界に行くという感じである。


 なのに扉の向こうは入ってすぐ緑の自然が広がっている世界で、白い部屋の中から向こうの世界が見えていた。


「草だな」


 白い部屋の中から手を伸ばして扉の中の世界に触れてみる。

 地面に生えている草は、触れて見てもちゃんとした草である。


 このようなところでも毛色は違うなと感じる。


「ここら辺はゲートと同じ安全だ」


 と言いながらも赤城が先に入って安全を確かめてくれる。

 続いてみんなも入っていくと、扉はまた勝手に動いて閉じてしまった。


「右……ここは槍の騎士がいるところだな。見ての通りの草原だよ」


 一応赤城が状況を説明してくれるけれど、周りは見た通りである。

 扉が草原のど真ん中にたたずんていて周りから浮いているものの、あとはおかしいところもない。


「あの看板なーに?」


 シャリンが扉の近くにある木の看板を指差す。

 矢印のようなものと見慣れない文字が書いてある。


「あれは神殿の方向を教えてくれる看板だね」


「わざわざご丁寧に?」


「ああ。それによく見てみろ。看板なくても行けるから」


「……看板がなくても?」


「なるほどね。ここは道になってるのね」


 圭は分からなかったけれど、かなみはすぐに気づいた。

 よく見てみると地面の草が一定の幅で薄くなっているところがある。


 看板の矢印の方向に薄くなっているところは伸びていて、それが道のようになっているのだ。

 地面をよく見て動けば、看板の案内がなくとも迷子になることはない。


「このまま進んでいけば神殿も見えてくる」


「分かりやすいな」


 非常にシンプルでいい。

 割と塔の中の世界は分かりにくいことも多いので、進むべき方が分かるのはありがたい。


「いくぞ! みんなもしっかりと警戒を怠るなよ!」


 今回ヴァルキリーギルドからは赤城たちを含めて十人、大海ギルドからも十人のメンバーが来ている。

 それぞれ精鋭であり、経験も豊かな覚醒者である。


 流石にシークレットや女神のことがあって危険も大きいかもしれないので、無闇に人を増やさず人を制限したのだ。

 圭たちの方は圭を始めとしたいつものメンバーにダンテとユファもいる。


 これだけいれば問題となることが起きても対処できるだろう。

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