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【第十二章完結!】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十一章

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遭難者を探せ3

「変な感じ」


「まあ、俺としてはみんなの方が変に見えてるぐらいだよ」


 霧がないと体をロープで結んでそろそろと歩いてる不思議な集団にしか見えない。

 そのまま霧を抜けて、一層と二層の間を警戒しながら抜けていく。


 こちらでもレッドアイウェアウルフの襲撃があったものの、問題なく片付けられた。

 流石に三つも大きなギルドがいて人数が多いので多少の襲撃ではびくともしない。


 一層の外、一層と二層の間は捜索も兼ねて何度も入っているために、モンスターも討伐され尽くしていて数が少ない。

 激しく襲撃されることもないのだ。


「‘ここからはより気をつけていきますよ’」


 二層の霧に到着した。

 相変わらず圭の目には霧は映っていないので周りの状況から判断するしかない。


 霧を抜けるとモンスターに襲われる可能性があるから一々ロープも外す必要がある。

 そしてまた霧に入っていくのにロープを結んでいく。


 人数が多いので、ロープを結んでいくだけでも少し時間がかかる。

 ガイドとなるロープがどのようなルートになっているのかよく知っているランヴィールを先頭にして、すぐ後ろに圭が並んで霧の中に入っていく。


 ランヴィールはガイドとなるロープを見失わないように慎重に進んでいく。


「圭」


「なんだ?」


「あれ何?」


「あれは霧の中でもちゃんと進んでるのか確認できるように変化を……って見えてるのか?」


 ロープを繋ぐための杭の他に大きなライトが壁にかけてある。

 霧の中では近くの壁と手元のロープぐらいしか見えない。


 本当に前に進んでいるのか不安になるため、ライトを設置してちゃんと進めているのだと確認できるようにしてあった。

 圭に抱っこされたシャリンはライトを指差していた。


 すぐ横にあるわけではなく、少し先にあるものをシャリンは見ている。

 つまり霧を見通しているということになる。


「見えてるよ」


 なんてことはないようにシャリンは答える。

 しかしそれは結構驚きなことである。


「なるほどな……シャリンには通用しないってわけか」


 シャリンも人ではない。

 霧の正体が何なのかはいまだに分かっていないが、魔法などの類のものではないかと言われている。


 シャリンには霧が効かないのだろう。

 今の所、圭の能力があれば事足りている。


 わざわざシャリンが霧を見通せると他に伝える必要もない。

 切り札的に秘密にしておこうと圭は思った。


 そのまま二層の霧も抜けた。

 他の人も抜けてくるのを待って、ロープを体から外す。


「‘時計回りに捜索していきます’」


 全員問題なく霧を抜けられたので二層の内側、見えている城の外を捜索していく。

 本来なら二つに分けて時計回り、反時計回りで効率的に捜索していきたいところだが、何があるか分からない以上あまり離れすぎることは危険だ。


 圭の能力に懐疑的なアメリカのギルドも、霧のリスクがあるのに圭から離れようとは思わない。

 どのようなモンスターが出てくるのかまだ不明であるし、リスクを小さくするためにもみんなで移動する。


「なーんか出ないかなー」


 抱っこから降りたシャリンはモンスターがいないかとキョロキョロしている。

 レッドアイウェアウルフの時も大人しくしていたので本格的に暇を持て余していた。


「この音は……」


「何か戦いの音だな」


 遠くから爆発するような音が聞こえてきた。

 誰かが戦っている。


 みんなは音の方向に走り出す。


「あれはアイシャ!」


 走っていくと大きな通りに出た。

 一際大きな建物が正面にあり、建物の前にモンスターが集まっている。


 建物の上には覚醒者の姿が見えていて、大きな弓を扱っている女性の覚醒者を見てかなみが目を見開いた。

 かなり前に超大型ゲートに挑んで行方が分からなくなっていたA級覚醒者のアイシャである。


 かなみの知り合いで、今回大海ギルドが超大型ゲートの攻略に参加する理由でもあった。


「あのモンスターは……」


「より人に近い形をしているねぇ」


 アイシャたちが守る建物の前にいるモンスターはウェアウルフにも近い形をしていた。

 全身が毛で覆われていて、後ろ足で立って行動している。


 ただウェアウルフは前傾姿勢だったりと、まだケモノっぽさを多く残したフォルムだった。

 それに対して目の前のウェアウルフはスマートでより人に近い感じの姿をしていた。


『ガルー

 モンスターと人間の混血である人狼。

 影を操る古狼が産み落としたで、とある地方を支配している。

 影を操る能力は失われているものの、モンスター由来の体の強さを誇っている。

 モンスターとしての能力の高さをもちながら人間にも劣らない知恵を持つ。

 しかし霧に惑わされるうちに理性を失ってモンスターの本能に支配されてしまった。

 吸血人であるヴァンパとは敵対関係にある。』


 圭は真実の目を使って相手のことを鑑定してみる。

 人とモンスターの間のような存在だけど、今は理性を失ってモンスターと変わらないようである。


「‘助けに行くぞ!’」


 気になることは多いけれど、ガルーが何なのか考えている暇はない。

 建物を守る覚醒者たちはガルーに押されてしまっている。


 助けに来て目の前でモンスターにやられてしまうなんて笑い話にもならない。

 インドとアメリカの覚醒者たちが飛び出してガルーに攻撃を仕掛ける。

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