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【第十二章完結!】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十一章

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研究者を狙って2

「……うん、大丈夫そうかな」


 護衛の仕事は初めてであるが、圭の能力は意外と護衛向きである。

 なぜなら真実の目があるから。


 覚醒者の能力を見抜くことができる目ではあるけれど、一般人に対しても名前などを見抜くことができる。

 真実の目を発動させながら周りを見るだけで人がいるかどうか、そしてそれが覚醒者かどうか分かるのだ。


 人がいることだけでなく、覚醒者かどうかまで分かるのだから先んじて相手を見つけて警戒することができた。

 こうして覚醒者が護衛としてつく中では、暗殺者でも誘拐者でも自然と覚醒者なければ対抗できない。


 事前に覚醒者を見抜けることは大きな利点なのである。


「周りに人はいません」


 圭が見える範囲に入ってくれば見抜くことが可能だ。

 A級のダンテが魔法で姿を隠していても見抜いたのだから、ほとんどの場合で圭は相手を見つけられるだろう。


 圭が安全を確認するとアミールとアマルジャンが車から降りてくる。


「この時間は緊張するな……」


 何事もなく車を降りて何事もなく部屋に向かいたいのに、車の中で怪しい人がいないか報告を待たねばならないのは心臓に悪い。

 そのままホテルに入って部屋まで護衛する。


「アム!」


「ただいま、ユカ」


 アマルジャンが部屋に入ると妻であるユカがアマルジャンをハグして迎えてくれる。

 話に聞いていた通り日本人の妻で、垂れ目の綺麗な人である。


「それじゃあ俺たちは隣の部屋にいるので」


 アマルジャンを送り届けて終わりではない。

 部屋を襲撃する可能性もあるので隣の部屋も借りてあり、圭たちはそこで待機する。


「君たちもルームサービスなど頼むといい。なんならお酒でも」


「流石にお酒は遠慮しておきますよ」


 護衛をするのにお酒なんか飲んでいられない。

 いかに護衛のやり方が分からないといってもそれぐらいは分かっている。


「圭と二人きりなら嬉しいんだけどねぇ」


 圭たちは護衛のプロではない。

 基本的に部屋の前に立っていたりとちゃんとした護衛のところは、アマルジャンが連れている護衛の人たちが担ってくれる。


 圭たちは予備の戦力みたいなところがある。

 部屋の中でのんびり待機という形になっているのだけど、他の護衛の方々も部屋にいる。


 ホテルの良い部屋なので、そこで休めることは嬉しい。

 ただ他の人がいなければな、と夜滝はこっそり不謹慎なことを思うのであった。


 ーーーーー


「ご協力ありがとうございました」


 ゲート調査も勝手に行うことはできない。

 覚醒者協会に連絡し、まだ攻略が決まっていないゲートや攻略が決まっていても調査に協力してくれるところを探して調査することになっていた。


 朝からホテルを出発し、覚醒者協会から派遣されてきた職員も一緒になってゲートを回る。

 無人のゲートを二つ回った後、今日攻略する予定のゲートを攻略前に調査させてもらった。


 圭には分からない何かの機械を使ってゲートの魔力を測定しているらしい。

 ゲートが攻略されたらまた魔力を測定にも来るらしく、色々あるのだなと思っていた。


「ここまで巡ってきたゲートは発生を予想したものなんだ」


 次のゲートに移動しながらアマルジャンは軽くやっていることの説明をしてくれる。

 無造作にゲートを選んでいるわけじゃなく、ここまでで構築したアルゴリズムを使ってアマルジャンはゲートの発生を予想していた。


 調査したゲートはアルゴリズムによって、その近辺にゲートが発生する可能性が高いとされていた場所に実際に現れたゲートであった。


「大まかな場所はあっていたが、細かく見てみると最も発生確率が高いポイントからはズレているんだ。ゲートの魔力、等級や中の環境を調査して、より精密な予想ができるように改良する」


 車の中でもアマルジャンはパソコンを使ってデータを入力している。


「つまりもう大体予想はできてるってことですか?」


「そうだね。予想できていないゲートや予想していたけれど発生していないゲートもあるが、それなりに予想できていると思うよ」


 なんだか分からないけどすごいことをしているものだと感心してしまう。


「次のゲートは発生予想としては確率が低かったけれど発生したゲートだ。……インドよりも調査がしやすくていいな」


 アマルジャンは思わず笑ってしまう。

 移動のしやすさもあるし、勝手にゲートを攻略している覚醒者がいたりもしない。


 インドでは広くて人口も多いためか覚醒者も様々で、覚醒者協会が完全に全てを把握しきれていない。

 調査に行こうとしても道が渋滞していたりとままならないこともある。


 それ比べれば日本はかなり整備されていて、覚醒者もしっかりしているとアマルジャンは感じた。


「次のゲートも攻略する方がいる予定です。MGというギルドで、こちらがギルドメンバーです」


 相手が本当に攻略する予定のギルドかどうか確認するのも護衛の仕事である。

 圭は覚醒者協会の職員からタブレットを受け取ってMGの人たちの顔と名前を確認する。


 男ばかりの小規模ギルドであるが、ゲートの等級はC級なのでそこそこ強い覚醒者たちだ。

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