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【第十二章完結!】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十章

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敵は中心にあり2

「あれは……」


 外に出てみると鎧に身を包んだ兵士のような人たちが続々と神殿の方に迫ってきていた。


「王国騎士団……!」


 圭たちは正確な正体を計りかねていたが、少し遅れて神殿を出てきたクロノアは兵士たちが持っている旗を見て驚いた顔をした。


「王国騎士団? つまりあいつらは王様の命令で来たのか?」


「王国騎士団は王様直属の部隊ですからね。王様の命令以外では動きません。そして王国騎士団のトップにいるのは……」


「久しいな、ディムバーラガン」


「このような場所に隠れていたとはな、アノア」


 アノアが王国騎士団の先頭に立つ鎧の騎士を睨みつける。

 白髪混じりの中年男性だががっしりとした体型をしていて若々しさがある。


 立っているだけでも圧力を感じ、ただものではない気配がしている。

 その騎士こそ騎士団長であるディムバーラガンであった。


 クロノアのことを伝言しようとお願いした時にシーカーを呼び出したとされる人である。

 つまり騎士団長がシーカーを殺したのではないかという疑いを圭たちが持っている相手でもあるのだ。


 ディムバーラガンから魔力が漏れ出し、アノアからも同じく魔力が漏れる。

 二つの魔力がぶつかって圭は空気が重たく感じられていた。


 ディムバーラガンが強そうなことは分かっていたけれどアノアもかなりの力を持っているようだ。


「何の用でここに来た?」


「王命によりこの神殿を破壊しに来た」


「何の権限があってそのようなことをするつもりなのだ!」


「この国は我々のものだ。ただ土地を返してもらうだけだ」


「どんな理由であれ一度建てた神殿を同意なく破壊することなどどの国でも許されないことなのはお前も分かるだろう!」


 最初こそ神殿を建てるのは国の許可がいるかもしれない。

 しかし一度でも神殿が建ってしまえばそれはもう不可侵の宗教施設なのだ。


 たとえ国だろうと許可なく手を出せばその宗教との大きな摩擦を生むことになる。

 ほとんどの国では余程の事情がない限り宗教に手を出さないことは暗黙の了解である。


「たとえ不義の行いであっても王命には逆らえないからな」


「王の愚かなる行いを諌めるのも忠臣たるお前の役割だ! ただ命令を受け入れるだけならお前でなくとも良いだろうに!」


「ふっ、諌めることなどしない。私も時の神はいなくなるべきだと思うからな」


「なんだと!」


「今神殿を破壊する許可を出せ。さすればお前の命だけは助けてやろう」


「許すわけないだろう!」


 話が通じないとアノアは思った。

 

「世界が狂っていることは知っていたが、もはやこの国すら狂っているとは……!」


「何が言いたいのか分からないが……許可がないのなら力づくで破壊するしかないな! 全軍突撃! 王命を果たすのだ!」


 ディムバーラガンが剣を抜いて指示を出す。


「させるか!」


 アノアが杖を地面に叩きつける。

 白い膜のようなバリアが神殿全体を包み込む。


「クロノア! それに異国の戦士よ! 神殿を守ってほしい!」


「異国人を引き込んでいるのか! だがそんなもの無駄だ!」


 ディムバーラガンがアノアに切りかかる。

 消えるように一瞬で距離を詰めてきたディムバーラガンの剣をアノアは杖で受け止めた。


「みんな、戦うぞ!」


 守ってほしいなどお願いの形をとっているが、ポジション的に王国騎士団からしてみればもうすでに圭たちが敵に見えている。

 たとえ戦いたくないと思ったとしても戦いは避けられない。


「やっていい?」


「ああ、暴れろ」


 シャリンが期待した目で圭を見る。

 王国騎士団の数は多い。


 まだまだ崖の道の向こうにも王国騎士団の姿も見えていて全貌が把握できていないぐらいなので、手加減しているような余裕はない。

 シャリンにも好きに暴れてもらうことにする。


 ディムバーラガンはアノアと戦っていて、兵士たちは圭たちの方に向かってきている。


「カレン!」


「おう! 大地の力!」


 カレンはスキルを発動させる。

 地面が盛り上がり壁となる。


 ただ壁で兵士を防ぐだけではなく真ん中には間が空いてそこから兵士たちが雪崩れ込む。

 けれどもそれでいい。


 大軍と正面から戦って囲まれてしまっては厳しい戦いになる。

 壁を作って兵士の数を制限して戦えばいくらか戦いやすくなる。


 隙間があって中に入ってこられるなら兵士たちも壁を破壊するより中に入ってくることの方を優先するので壁も壊されにくい。


「パーンチ!」


 シャリンに殴られて兵士が壁を越えて飛んでいく。

 戦った感じ兵士はあまり強くない。


 等級でいえばせいぜいD級。

 強くてC級、弱ければE級程度といったところである。


 数は多いけれどこのまま戦い続けても勝てるような感じがしていた。


「グッ!」


「お兄さん! 大丈夫か!」


 壁の隙間を抜けて走ってきた兵士が圭の剣を弾き返して腹に蹴りを入れた。

 まともに蹴りを食らって圭が後ろに転がる。


「俺は王国騎士団ブオマンズ! 王命を邪魔する異国人を討伐する!」


 もちろん王国騎士団の中にも隊長級の強者がいる。

 ブオマンズはそうした強者の一人であった。


「むっ! 圭を傷つけた!」


 圭が攻撃されたことで怒り顔のシャリンがブオマンズに殴りかかる。

今日からカクヨムの方でカクヨムコンに出していた作品をのんびりこちらに転載していくことにしました。

カクヨムコンに出せるように10万字、50話ぐらいはあるのでのんびりお付き合いください。


作品は

【原初のネクロマンサー〜いかにして死霊術は生まれ、いかにして魔王は生まれたか〜】


【神様、あなたの推しを配信します~ダンジョンの中を配信するので俺にも世界を救えるように投げ銭ください~】


【ヒールが痛いとパーティーを追い出されたヒーラーは痛み無効の獣人少女とのんびり出来るところを探します】


【回帰した俺だけが配信のやり方を知っている~今度は上手く配信を活用して世界のことを救ってみせます~】


という四作品です!

読んでブクマや星お願いします!

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