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【第十二章完結!】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十章

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時に囚われぬ者4

「流石に少し暇だな。俺は別行動でも構わないか?」


 ダンテがグッと体を伸ばす。

 正直集団行動というやつがダンテはあまり得意ではない。


 塔を登るためと黙ってついてきていたが暇だった。

 カイに襲われるリスクというものがあったのもついてくる理由であるが、塔の攻略をメインで行う覚醒者でもない限り十一階まできていることはあり得ない。


 実はもっと下の階で青龍ギルドではカイが来ないか見張ってもいる。

 カイが十一階で圭を襲う可能性はほぼないと言ってもよかった。


「あっ、うん……」


 実際行ってほしくないと圭は思っていた。

 ダンテが行ってしまうと男率がより下がってしまう。


 下がったところでなんの問題があるのだと他の人は思うが、ヴァルキリーギルドの一部の人が圭のことをハーレム王と呼んでいるらしいと聞いてしまった。

 違うんだと叫びたいが外から見た時冷静に考えて否定できないのもまた事実。


 十一階の人に見られても問題はないが少し周りの目が気になってしまう。

 そして薫には悪いけれど多分周りから見た時薫はあまり男判定されていない。


 だがハーレム扱いされるの嫌だからいてくれというのもなんだかおかしな話である。

 ダンテは仲間だけどチームじゃないみたいな関係なので自由にしていてもらう。


 手分けした方が効率も良く、A級覚醒者のダンテならば心配もいらない。


「ユファはどうする?」


「んじゃ、ワタシも」


 ユファもダンテの方についていって好きにやるようだ。

 結局いつものメンバーが残る感じである。


「まあでもやることはそんな変わらないだろう」


 分かれただけで森の中でモンスターを討伐しようとしていることは同じである。

 ダンテとユファはさっさと森の中に入っていってしまったが圭たちはゆっくりと慣らしていくことにした。


「あっ、討伐対象だ」


 森に入るとすぐにモンスターが出てきた。

 肌の黒いゴブリンのようなモンスターで圭の目で名前を確認してみると討伐の対象であった。


 それもそうだろうと思う。

 討伐系の依頼のモンスターの名前だけ抜き出してもかなりの種類があった。


 特定のモンスターを探さずに適当にモンスターを討伐していてもいくつかの試練はクリアになるだろう。


「弱い!」


「ピピ、相手にならない!」


 黒ゴブリンはゴブリン程度の力しかない弱いモンスターだった。

 意気揚々と飛び出したシャリンの蹴りで簡単にぶっ飛ばされて試練の討伐数が一増えていた。


 やはり人里に近い浅いところではモンスターも弱い傾向にあるようだ。

 みんなでちょっとずつモンスターを倒しながら森の奥に進んでいく。


 どうせ出てきたモンスター全部倒すのだからと一々圭もモンスターの名前を確認することがなくモンスターを倒していった。


「ん?」


「夜滝ねぇ、どうかした?」


 急に夜滝が立ち止まって周りをキョロキョロと見回し始めた。


「何か違和感のようなものを感じた……いや、今も感じるねぇ」


「違和感?」


 圭も周りのことを確認するけれど、夜滝の言う違和感とやらがなんなのか分からない。


「みんなはどう?」


「わかんねぇな」


「僕も分からないです」


「ちょっと飛んでみてみようか」


 カレンたちも違和感がなんなのか分からないようだ。

 波瑠がスキルで翼を生やして飛び上がる。


「……いつの間にあんなスキルを?」


「ちょっとあってな」


 圭たちの中では普通のことだけど黒羽からしてみれば波瑠があんなことできるのかと驚きである。

 説明すると長いので曖昧に誤魔化しておく。


「どうだー?」


「わっかんなーい!」


 上から見下ろしても森はただの森である。


「ピピピピ……」


「フィーネ、何か分かるのか」


 フィーネも周りを見てうなっている。

 夜滝も違和感を言葉にできないようで困惑している中でフィーネならば何か分かるかもしれないと期待する。


「魔力……ここら辺に魔法がある」


「魔法?」


 ピッとフィーネは森の中を指差した。

 フィーネも言われなければ分からないほどに微弱な魔力が森の中に漂っていた。


「魔法……そうか、確かにそんな感じだねぇ。魔法をかけられているような感じ、これが違和感かもしれないねぇ」


 夜滝もハッとした顔をする。

 妙な違和感は魔法を受けている時のような感じに似ていた。


「こんなところで魔法を使ってる?」


「しかも夜滝やフィーネにも分かんないようにか?」


 攻撃されているような感じはない。

 一体誰がなんの目的で魔法を使っているのかと圭とカレンは首を傾げる。


「……何かあるかもしれないね」


 黒羽も森の中に張られた魔法なんて知らない。

 だが十一階において変なことが試練と無関係であることはまずない。


 もしかしたら誰も知らない試練に繋がっている可能性もある。


「そもそもなんの魔法かも分からないのにどうしたらいいいんだ?」


 今わかっているのは森の中に魔法がありそうだということだけである。

 それをどうすればいいのかもまた予想すらできない。


「ふふん、任せて!」


 圭が困惑しているとシャリンは誇らしげな顔をして胸を張った。

 どうやらシャリンには考えがあるようだ。

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