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【第十二章完結!】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第八章

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封印を解いて5

 挑発が効かない可能性も考えていたけれどダークリザードマンは挑発に乗ってカレンの方に向かった。

 突き出された槍をカレンは盾で防ぐ。


 力はそれなりに強いけれど力の乗りにくい槍だからかカレンもしっかりと防ぎ切った。

 カレンの反撃のメイスをダークリザードマンが飛び退いてかわし、そこに圭たちが迫る。


 槍を使って上手く攻撃を防ぐが圭、波瑠、フィーネと三人も相手にしては防御が間に合わない。

 圭の剣が肩に当たって鱗が砕ける。


 結構硬い。

 一撃でしっかりと切りたいならかなり力を入れなければいけないなと圭は思った。


 波瑠の良い方のナイフなら鱗も関係なく切り裂くことはできるし、フィーネの大鎌も先端ならば容易く突き刺さる。


「むぅ……ちょっと辛そうだねぇ」


 圭たちの攻撃でボロボロになったダークリザードマンに夜滝が魔法を叩き込んだ。

 水と火という相対する属性が渦巻く魔法が直撃したのにダークリザードマンを倒すことができなかった。


 圭が調べた通りに魔法に対する耐性が高いようで、単純な魔法の威力だけで倒すのは大変そうであった。


「なんだ?」


「……マズイ!」


 追い詰められたダークリザードマンが突如として叫び声を上げた。

 森の中に響き渡る叫び声に圭は焦ったようにダークリザードマンにトドメを刺した。


「今のなんですか?」


「今のきっと助けを呼んだ声だ。とりあえずここを離れるぞ!」


 相手に知能があることを忘れていた。

 追い詰められたダークリザードマンは仲間を呼ぶために叫び声を上げたのである。


「ピピ……チカヅイテル!」


「みんな、早く!」


 相手がどれほど駆けつけるか分からない。

 一体一体ならそれほど苦労する相手ではないけれど弱いと言えるほど楽勝で戦えるわけでもない。


 あまり多くのダークリザードマンを同時に相手することはできないので圭たちは一度その場を引き下がる。

 こうした素早い判断も戦いには必要である。


「どうだ?」


「13……」


 フィーネの感知能力がギリギリ届くところまで離れて様子を窺う。

 フィーネによると倒したダークリザードマンのところに13体のダークリザードマンが駆けつけているようだ。


 そんな数相手にしていられない。

 逃げて正解であった。


 目を閉じてダークリザードマンの方に集中するフィーネを邪魔しないように圭たちは黙って周りを警戒しておく。


「ツレテッタ」


「何?」


「シタイ、ツレテッタ」


 ダークリザードマンが去ったので倒したダークリザードマンのところに戻ってみると死体がなくなっていた。

 ダークリザードマンたちが仲間の死体を持っていったらしい。


「なんの目的で?」


「あれじゃね? 仲間の死体食べるとか」


「だとしたらちょっと気持ち悪いですね……」


 どうして仲間の死体を持っていったのか不思議である。

 仲間の死体でも食い荒らしてしまう雑食のモンスターもいないことはないけれどそうならばわざわざ仲間の死体を持ち帰ることはない。


 仮に仲間のことを食べるのだとしたらかなりグロテスクだなと薫は嫌な顔をしている。


「とりあえずもう何体か探しながら湖の方に向かってみよう」


 目的がなんであれ推測するしかできず確認のしようもない。

 考えるだけでは時間の無駄なのでまたダークリザードマン探しを始める。


 今度見つけたダークリザードマンは二体で動いていた。

 元々二体なのか、それとも仲間が倒されたことで警戒しているのかもしれない。


 先ほどのダークリザードマンは攻撃が通じるかや相手の攻撃の感じを見るためにやや手加減したような形だったが、今回は一気に襲いかかって一気に倒す。

 ダークリザードマンの戦い方は手に持った槍中心に組み立てられている。


 槍使いとしてはそこそこ上手くて侮れない。

 ただ鱗という天然の鎧を過信しているのか防御は割と雑である。


「ふふん、させないよぅ」


 そしてダークリザードマンは追い詰められると叫び声を上げる。

 最初に会った時に仲間を呼ばないのは変なプライドでもあるのだろう。


 ただ圭たちの方がモンスターよりも知恵がある。

 ダークリザードマンに対しては魔法が通じにくいがだからといって夜滝が何もできないわけではない。


 ダークリザードマンの叫び声は大きく、先ほどは森の中にこだまするような感じであった。

 しかし今の叫び声は全く森の中に響いていない。


 それは夜滝が音を遮断したから。

 夜滝は戦いが始まった最初から魔法によって音が周りに聞こえないように見えない膜を張っていたのだ。


 ダークリザードマンも叫び声が外に響いていかないことに気づいて動揺した様子を見せていた。


「おりゃ!」


 動揺した隙を狙って波瑠がダークリザードマンの懐に飛び込んでナイフを横に振る。

 深々と首を切り裂かれダークリザードマンは槍を落として首を手で押さえたまま地面に倒れた。


「やっぱり仲間を呼んでるようだな」


 倒した二体のダークリザードマンから魔石を取り出す。

 時間をかけて事前の準備ができたならこうした仲間を呼ぶ性質を利用して一網打尽にする罠を仕掛けられたのになと思う。


 もう一度ダークリザードマンを倒して圭たちは話に聞いていた湖が木々の間から見えるところまで来ていた。

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