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【第十二章完結!】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第七章

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出会い、あり4

 ゲートの中は見た目よりも広く意外と捜索に時間がかかる。


「あっちに行ってみよう」


 他のところよりも木が密集しているところを見つけた。

 周りと少し環境が違うところはボスモンスターも出やすいのでそちらに向かってみる。


 数体のレッドフォックスは出てきたもののボスモンスターはいない。


「ピピ、ダレカイル」


「誰か?」


 戦いを終えてレッドフォックスの熱でほかほかになったフィーネは圭に抱っこをせがんで抱きかかえられていた。

 メタリックな人間ボディをしたフィーネであるがなんとなく表情というものも分かり、圭に抱きかかえられて嬉しそうにしていた。


 そんな時に急に変なことを言い出した。


「誰かって誰だよ?」


 カレンがキョロキョロと周りを見回すけれど当然のことながら人の姿などない。

 多少木々の多い場所ではあるが視界が悪いと言えるほどでもないので人がいれば簡単にわかってしまう。


 そもそも人が攻略しているゲートに勝手に入ることは御法度であるし、攻略する人が少ない離れた場所でもある。

 こんなところに人がいるとは思えない。


「そうだよな……人なんて……」


『ダンテ・ミラー

 レベル451[219]

 総合ランクB[C]

 筋力A[B](英雄)

 体力A[B](英雄)

 速度C[E](一般)

 魔力B[D](英雄)

 幸運D[E](一般)

 スキル:黒き刃、明けの明星[貸与]

 才能:謙虚たる器』


 圭は物は試しと真実の目を使って周りを確認してみた。

 するとこの場にはいないはずの人のステータスが現れた。


「圭さん? どうかしましたか?」


 急に動きが硬くなった圭に薫が気づいた。

 マズイと圭は思った。


 どこの誰なのかは置いといてステータスを見る限りA級覚醒者である。

 さらには見覚えのある異常なステータス表示。


 悪魔の力を持った相手であるということに圭の背筋に冷たいものが走った。


「みんな、ゆっくりとこの場を……」


「待て」


 攻撃してこないということは何か事情があるのかもしれない。

 知らぬ顔をしてこの場を離れれば乗り切れるかもしれないと思った。


 しかし圭の様子の変化を察したように男性の声が聞こえてきて、みんなが周りを見回した。

 誰の姿も見えない。


「あっ!」


 まるで蜃気楼のように男が現れた。

 綺麗な顔をした白髪の若い男性で顔立ちは外国人に見えた。


 名前からしても日本人ではないだろうと圭は思う。

 魔法の応用なのか、ダンテは圭たちのそばに立って身を隠していたのである。


「……何かご用ですか?」


 急に現れたダンテにみんな警戒心をあらわにしている。

 しかし圭は真実の目でダンテが悪魔の力を持つA級覚醒者であると分かっている。


 下手な態度は取れない。

 日本語が通じるのか一瞬迷ったけれど待てという声は日本語だった。


 ひとまず日本語で話しかけてみる。

 圭の妙な丁寧な態度に夜滝たちもダンテがヤバそうな相手だと気づく。


「ご用だと? そんなもの分かっているはずだ」


 ダンテが腰の剣を抜いて圭に向けた。


「なんのことだか……」


「この後に及んで俺を騙そうというのか」


 会話が噛み合わない。

 圭はダンテのことなんて知らないし、ダンテがここにいる目的も知らない。


 A級覚醒者になんて勝てるはずはないので戦闘は避けたい。

 何が目的で、望みがなんなのか知ることができれば圭だって協力したい。


 けれど圭を睨みつけるダンテの目からは敵意を感じる。

 なぜ敵対視されるのか圭は必死に考えるけれど思い当たる節が何もない。


「貴様、悪魔だろう?」


「お、俺ですか……?」


 最初からずっとダンテは圭のことを見ている。

 ダンテは圭のことを悪魔だと言った。


 悪魔はお前の方だろと思わざるを得ない。


「貴様から悪魔の力を感じる。……その目か?」


「目?」


 目といえば真実の目である。

 そういえばかつて悪魔教の戦いの中で圭の目について悪魔が何かを言っていたなと圭はふと思った。


「俺は悪魔じゃ……」


「問答無用だ!」


 どうにか話を聞き出そうとしたけれどダンテは圭に切りかかった。


「くっ!?」


 良く反応できたと思う。

 振り下ろされたダンテの剣を圭はなんとか防御した。


「ピピ!」


「うっ!」


 続くダンテの攻撃に圭は反応することができなかった。

 危うく胴体が真っ二つになるところだったけれど圭の体にはフィーネが引っ付いたままだった。

 

 金属の塊であるフィーネはA級覚醒者の攻撃でも切れることはなくダンテの攻撃を受けてくれた。

 ただし衝撃までは防ぎきれずに圭は吹き飛ばされた。


「圭!」


「なにしやがんだ!」


 吹き飛ばされた圭に夜滝たちが駆け寄る。

 カレンが圭の前に盾を構えて立ちはだかり、ダンテのことを睨みつける。


「こんな相手を寄越すとは俺も舐められたものだな……それでも勝てると思ったのか? それとも近くに仲間でもいるのか?」


「さっきからなんの話してんだ! 私たちはこのゲートを攻略しにきただけだ! お前こそ急に現れてなんなんだよ!」


「ふん、騙されないぞ。お前らが卑劣な悪魔の仲間だということは分かりきっている」


「チッ……こいつ話通じねぇな!」


 カレンは盛大に舌打ちする。

 何を勘違いしているのか知らないけれどかなり危険な思考をしている。

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