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【第十二章完結!】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第六章

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モンスターを呼び出す怪しい連中3

 警察、救急車、覚醒者協会と多くの人が集まって公園周辺は騒然となっていた。

 規制線が張られ夜にも関わらず近隣住民たちが野次馬に集まっている。


 さまざまな憶測を呼んでいるけれど規制を担当する警察から何の説明もなく噂が噂を呼んでいる。

 今のところ痴漢犯罪でもあったのだという話が広がっている。


「覚醒者協会捜査課の嵯峨野です」


「どうも」


 額に小さな傷のある短髪の中年男性が警察手帳のような身分証を圭と和輝に見せた。


「お話聞かせていただいてもよろしいですか?」


 嵯峨野はモンスターの死体を横目にメモ帳を取り出す。


「魔力が使われた気配を感じて公園に来たら怪しい白いローブの人たちがいたんです」


「はい。和輝さんはB級覚醒者なのでそうした感覚も鋭くて」


「なるほど」


「そして倒れている女性も見えて、声をかけると白いローブの人たちは逃げていきました。逃げる時に……黒い石のようなものを取り出してモンスターを呼び出したんです」


 圭の目にはモンスターを呼び出したというよりも小さなゲートを召喚した、というような感じもあった。

 モンスターを召喚したということに嵯峨野は一瞬渋い顔をしたけれども現にモンスターの死体が転がっている。


 周りにゲートの報告はなく、ブレイキングゲートがあったにしてはモンスターの数は少ない。

 状況的に圭の話に無理なところはない。


「モンスターを呼び出した……このことが本当ならかなり大きな問題ですね」


 人工的にモンスターを召喚できる。

 それが本当なら人々にとって大きな脅威となる。


 険しい顔をした嵯峨野がモンスターの死体を睨みつけた。


「それと……犯人の1人は浦安省吾という覚醒者でした」


「顔を見たのですか?」


 圭は逃げる白いローブの連中のうち、黒い石を取り出した男のことを真実の目で見ていた。

 チラリと危ないスキルも見えた気がするがすぐにモンスターと戦い始めてしまったのでちゃんと覚えているのは名前がギリギリだった。

 

「顔は見ていないのですが俺には相手の名前が分かるスキルがあるんです」


「名前が分かるスキル?」


「そうなんです。覚醒者協会の伊丹薫さんという方に聞いてくださればウソじゃないと分かるはずです」


 以前悪魔教の調査の時に伊丹にも同じ説明をした。

 名前ぐらい分かれば捜査もしやすくなる。


 なんとか名前だけは覚えていたので圭はそれも伝えておく。


「伊丹? ……ああ、若手エリートの。まあ聞くまでもありませんよ。登録している覚醒者ならすぐにわかります」


 ほんの少しだけトゲのある言い方だなと圭は思った。

 覚醒者協会という大きな枠で見ると同じ組織内ではあるけれど部署が違えば関わり合いがないこともある。


 さらに言えば仲が悪いことだってあり得ないとは言い切れないのである。

 伊丹に関して嵯峨野は何か気に入らないことがあるのかもしれない。


 圭はあまり嵯峨野の態度を気にしないことにした。

 最後に軽く結界のようなものも張ってあったことも忘れずに伝えた。


「今回は一般市民をお守りいただいてありがとうございました。また何かご連絡することがあるかもしれません」


「ご協力できることは惜しみません」


「何か思い出したことがあったらこちらにご連絡ください」


 嵯峨野の名刺を受け取り、いつの間にか集まってきていた報道から隠れるようにして圭と和輝はその場を離れた。


「それにしてもなんだったんでしょうね?」


 遅くなってしまったから夜滝とフィーネがお腹すかして怒ってるかななんてことも考えるが、今やはり頭の中では先ほどの事件のことが思考の多くを占めている。

 人が意図的にゲートを開いてモンスターを呼び出した。


 明らかに普通の出来事ではない。


「分からん。ただ危険な雰囲気がしているな」


「女性を襲ってどうするつもりなんでしょうか……」


 ひとまずモンスターを召喚できる能力があることはいいとしても覚醒者でもない一般人を襲って何がしたかったのかも分からない。

 圭が助け出した2人はいまだに意識不明でそのまま救急車で運ばれていった。


 目を覚ませば何か分かるかもしれない。


「何にしても見回りを続けるなら1人で行くのはやめることだな」


「そうですね、少し警戒するようにします」


 相手が何者だったのか。

 それは警察と覚醒者協会に任せることにした。


 帰った圭は夜滝とフィーネに遅いと怒られたのであった。

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