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【第十二章完結!】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第五章

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覚醒者の義務2

「基本的にはまとまって動きましょう。ですが急にギルド同士で連携を取ることは難しいと思いますので戦闘は各々のギルドで。危険なことがあったらフォローし合いましょう」


「分かりました」


「それでいいです」


 リーダビリティギルドのリーダーとして圭が、そしてもう一つのギルドのリーダーも上原の意見に同意する。


「みなさん相手のモンスターの情報は確認しましたね? ……では中に入りましょう」


 上原たちのギルドを先頭にして圭たちもゲートの中に入る。

 相変わらず慣れない不思議な感覚と共にゲートを通り抜けると空気感が変わる。

 

 見た感じの景色の印象では塔の三階にも似ているが、よく見てみると全然違う。

 三階は黒っぽい岩肌の地面であったがここは黒くはあるが土の地面である。


 さらに以前入ったスケルトンゲートは枯れた木々があるだけの場所だったのに対して、今回のゲートは寂れた村のようなものが見えている。

 半ば崩れた家が並んでいて人の気配はない。


 こうした場合は大体目立つオブジェクト周りにモンスターが出現する。

 このゲートならおそらくあの村にスケルトンがいるのだ。


 分かりやすい戦場である。

 戦闘の準備もしやすくていい。


「きっとあそこでしょう。気を引き締めて進みましょう」


 上原のギルドを前にしてリーダビリティギルドともう一つのギルドが後ろをついていく。

 ちょうど3つのギルドで三角形を描くような形になっている。

 

 妙な静けさが漂う中、村に立ち入る。

 家々はただ古くなっているから朽ちかけているのではない。


 何かの戦いの後が見られる。


「九時の方向!」


 上原のギルドの覚醒者がスケルトンを見つけた。

 家と家の間から出てきたスケルトンがゾロゾロと圭たちの方に向かってきていた。


「先制攻撃だ!」


 上原の指示で上原のギルドの魔法使いが魔法を放った。

 炎が家の間に打ち込まれて爆発を起こし、スケルトンたちがバラバラに砕け散る。


 爆発など火は単純な火力も高い。

 夜滝は得意な属性が水属性なので水を中心に使う。


 火属性は苦手なので派手な火力を出せる人は羨ましいと不満を漏らすことがあった。


「これからが本番です! 油断せず、離れすぎないように戦いましょう!」


 魔法の爆発音に誘われたようにスケルトンたちが現れ始めた。

 家の裏や中から出てくるものもいれば地面から這い出てくるスケルトンもいた。


「武器を持っている個体から先に倒してください!」


 時々ボロボロの剣や槍を持ったスケルトンも出てきていた。

 何も持っていないスケルトンがほとんどの中で少し脅威度が高いと言える。


 先に倒しておくべきスケルトンである。

 いつものようにカレンをタンクとして戦うがワラワラと湧いてくるスケルトンに戦略的な戦いも何もない。


 圭と波瑠もメイスを持って前に出て積極的に戦う。

 夜滝も魔法を使ってスケルトンを破壊する。


 水の魔法は火の魔法ほど派手さはないが物理力も高いのでスケルトン相手にも有用で次々と倒していくことができる。

 重恭も戦っているがメインでは戦わず少し下がり気味に敵の注目を集めがちなカレンのサポート的に動いている。


 こうした動きはさすが経験のある覚醒者といった感じだ。


「スケルトンナイトが出たぞ!」


『スケルトンナイト


 生前実力があった者の死体に大きな魔力が集まってモンスターとなった。

 スケルトンの中でも魔力があり、力や速度も高い。

 生前身につけていた装備をそのまま身につけていることもある。

 リッチなどに作られることもあってリッチに作られたものは通常よりも強い。

 この個体は自然発生のスケルトンナイトである。

 魔石は不味い。大体アンデッドというやつは魔石が不味い。

 不純な魔力のせいだろうか』


 武器を持っていても所詮はスケルトン。

 戦いは終始覚醒者たちが優位に進み、スケルトンの数も目に見えて減ってきた。


 するとこれまでいなかった鎧を身につけた3体のスケルトンが現れた。

 ただのスケルトンではなくスケルトンナイトというスケルトンの1段階上のモンスターである。


 一応圭も真実の目で確認してみたが間違いなくスケルトンナイトだった。


「あっちにフォロー行くぞ!」


 スケルトンナイトたちは近くにいた上原のギルドの方に向かっていった。

 上原は等級も高く、上原のギルドも強そうなので勝てそうな気はするが、まだまだいるスケルトンとスケルトンナイトをいっぺんに相手するのは大変かもしれない。


 こういう時のフォローである。

 圭たちはスケルトンと戦いながらも上原のギルドに近づく。


「こちらで1体引き受けます!」


「すまない、助かる!」


 スケルトンたちに切り込んでいき、カレンが手近なスケルトンナイトに向かって魔力を放って挑発する。

 スケルトンナイトの首がギュンとカレンの方に向いた。


 スケルトンナイトを引きつけることに成功した。

 大きな両刃の剣に立派な鎧とヘルムまで身につけたスケルトンナイトはカレンに向かって剣を振り下ろした。


「問題なし!」


 剣を受けてみた感じではスケルトンよりは力が強いけれど、それでもそんなに強くはない。

 十分に対応できる。

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